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◆SIDE-YOU◆
………なにアレ。
外での翔くんは気持ち悪かった。
生徒会長は、成績優秀。
人柄も良く、人望も厚い。
自分の外見を存分に活かし、
見た事の無い爽やかな笑顔。
誰にでも素敵な笑顔を見せ、
多くの人に手を差し伸べ、
少し残念な所をチラ見せし。
生徒も先生も全員味方で、
学校を「牛耳る」存在。
それが「外」の櫻井翔。
………いやいや。
勉強なんかクソ面倒くせぇ。
舌打ちしながら毒を吐き。
確かに外見は偏差値高いけど。
爽やかな笑顔とか嘘でしょ。
「オトナ」達には無表情。
腕組みで見下ろしながら。
フンッ！と鼻を鳴らす。
残念な所はニセモノだし。
世界は私達以外敵視して。
他には心なんか許さない。
≪………いやいやいや≫
私に気付いたのか、ふっとこっちを見て王子様スマイル。
＜お前、バカなの？(笑)＞
≪詐欺ってこういう……≫
＜処世術って知ってる？＞
「ホント凄いよね」って智くんの笑い声が聴こえる。
＜お前も外見悪くないし？
俺程やれとは言わないからさ
俺から少しは色々学んどけば？＞
そして視線を戻しながら一瞬、片方の口元だけくいっと上げて悪魔の微笑み。
≪……智くん？≫
＜アレはおいらもムリだ＞
それからの１年は。
残念ながら。
翔くんがお手本になってくれたのは言うまでも無い。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「外の世界」に出るようになってから。
目立つ事件は何も起こらず。
もしかしたら気付かないうち、ふたりがフォローしてくれていたのかもしれないけれど。
私にも次の進路を選択する時期がやってきた。
翔くんは超有名進学校に通っていたし、智くんの学校見学に参加することにした。
何だか穏やかな空気をまとった学校で。
なんだか、智くんみたいだな…って思った。
「見学者入口」と表示された校門から見て正面にある入口を進むと、吹き抜けに飾られた大きな絵が目に入った。
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