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◆SIDE-O◆
このままココに居たら
オレどうなるんだろう……
ふわふわ浮いてるのも気持ちイイ
このままココに居ても
いいのかもしれないな……
羽ばたいてるのは少し疲れるけど
…オレは本当の世界で必要?
…チカラなんか要らないのに
…どんどんヒトじゃなくなる
…また繰り返すかもしれない
ふと足元を見ると、奥の方からどんどん蒼くなる。
そのもっと奥の方は、暗くて黒くて、最初に居た場所はもう見えない。
そのうちオレも。
あんな色になるんかな…。
≪「一緒にいたい」って想って…≫
はっとして顔を上げる。
光に消えたハズのキミ。
翼を羽ばたかせて。
オレに手を伸ばす。
≪お願い、智くん……
「一緒にいたい」って想って…≫
キミに向かって手を伸ばし羽ばたく。
一緒にいたい。
どんなオレでも。
一緒にいてくれる?
キミの手を掴み、ぐっと抱き寄せる。
足元の黒も、オレの中の黒も、綺麗な蒼になっていく感じがする。
オレの腕の中で、困ったように体を固くするキミに、フフッと笑いが零れる。
抱きしめたまま、飛び立つ。
もう、振り返ることはない。
光の先に見える、あの青い空。
そこまで突き抜ける様に飛べば。
もう、きっと、大丈夫。
「ありがとう」と呟き、キミの耳元に口付ける。
光を抜けると全身にふわっとした感覚。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
目を開くと、本当の世界。
上体だけ起こすと、目の前には銀縁眼鏡の綺麗な顔が心配そうにしてた。
ふふっと笑うと、肩をポンッと叩かれる。
キミに目線を送ると、目を覚ましたトコみたいで、それそれみんな喜んでた。
飄々と綺麗に歌い続けてるけど、その声から嬉しさが伝わるし。
銀縁眼鏡の奥で「うぜぇ」って顔してるけど、腕組んでないし。
えぐえぐ泣いて……庭に凄い数の小鳥……うん、放っとこう…。
久々に再会した『片割れ』としばらく話した後、キミはオレに瞳を向けて。
≪おかえり≫って優しく微笑む。
なんか、ソレにキュンとかしちゃって。
なんか、ソレ悔しいとか思っちゃって。
左の首筋を指先でトントンッってして、
唇の前で人差し指を立てながら、
微笑んでみた。
from 「ブルーバード/いきものがかり」
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