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◆3 ページ29

◆SIDE-A◆




「たまには雨でも遊ぼ!」




そう言って雨の中にキミを引っ張り出してみた。聞いたら、雨は嫌いじゃないみたいだし。


雨の中で遊ぶなんて、小さい子供くらいしかしないから、キミは久しぶりみたいだね。




だってさ?


雨の中で遊んでると、世界をひとりじめしてる、みたいな気持ちになったりしない?


そう言うと『確かに!』って笑ってくれた。




でしょでしょ!


雨っぽい曲を歌い始めたら、一緒にキミも歌い始めて。樹の枝も合わせて揺れる。


曲に合わせてステップ踏んだら、足元の水が跳ねてキラキラして、何だか嬉しくなる。


キミの声がキレイで、雨の滴もキレイで、何だかテンション上がっちゃう!


調子に乗って、キミを抱っこして、グルグル回ってみた。


『きゃ〜〜〜!』って言ってるけど、結構楽しそうに笑ってる。




オレが笑ってるからかな?


キミも笑ってくれる。




それで良いじゃん、ね?




天気雨が止んでる向こうに虹が見える。


「ほらほら!あっち!」


指さしたら、一緒に子供みたいに喜んで。雨で外にいたから見れたね、って笑い合った。








ね?


もう世界は、悲しいだけじゃない。


悲しいことも辛いこともあるけど、綺麗なことだって、まだあるよ。


だから、笑ったら楽しくなるの。








もし神様に祈って、キミを安らかな場所に連れて行ってくれるなら、いくらでも祈るんだけど。


そこまで子供でもないんだよね。








雨の中で歌って遊んでるのが楽しくて、全然気付かなかったガラスの向こう。


恐ろしく綺麗な顔を歪ませて、腕を組んで今にも舌打ちしそうな、帝王様が睨んでいらっしゃる。








ひ〜〜〜〜〜(泣)









from 「SUN/星野源」

always with you <M>→←◆2



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作者名:黒衣 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年2月18日 8時

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