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09*/あの時 ページ11

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Aは今にも消えそうな声で喋りはじめた


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俺はその手を握った


そうしていないと消えてしまいそうで....


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「一番最初に保健室にきたときも
 今と同じ過呼吸だった
 その原因は、親なんだ...」


ふと切ない瞳に色を変えた


「この身体のあざ、親からなの
 私は要らないんだ、って
 産まなければよかった、って
 いなくなれ、って
 でもそんなのはもう慣れた

 私が過呼吸になる日は
 煙草を押し付けられた時だけ」


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俺はゾクッとした


背中に冷たいものが流れた


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「あの熱さと痛み
 あれを感じるといてもたっても
 いられなくなるんだ

 でもね、それはね
 先生の珈琲で消えてなくなるんだ」


そう言って幸せそうな顔をした


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俺は胸が締め付けられる思いになった


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「あの時も先生は笑顔で珈琲をくれた
 その笑顔は私を笑顔にしてくれた
 それだけが私の光だった


 でもそれじゃダメって気づいた
 いずれは私も卒業する
 先生とは離れることになるでしょ
 だから距離を置かないと、って...」


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「でもダメだったの
 学校にきても授業になると
 自然と足が保健室に向かって、
 外ではいきなり気を失うし
 生きてることが奇跡みたい」


そう言ってニッコリと微笑む


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「ありがとう、先生...
 ここにいれるのは先生のおかげ
 先生がいなきゃ死んでたよ」


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目を瞑るA


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「...好きだよ、先生」


涙を一粒流しながら言う


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俺はずっと黙っていた


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Aのなかでそんなにも俺が
大きい存在だったなんて思いもしなかった


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「こんなんで同情されようとか思ってないよ
 だた言いたかっただけだから、」


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「ったく、ガキなんだからさ
 抱え込むなっての。
 まあ同情で扱い変えねーけどな」


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俺がいうと幸せそうに微笑む


「先生ならそうしてくれるって思ってた」


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俺はAに珈琲をいれた


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はい、ぐだぐだちゃん( ^ω^ )

10*/誘い?→←08*/懐かしい


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設定タグ:先生 , 保健室 , 短編   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:先生厨@たいむ | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/t-k-0128  
作成日時:2012年9月23日 0時

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