人形は柱から愛される

5話 エリースさんリクエスト ページ8

実弥が帰った後は、縁側で寝転がっていた。

今日は暖かいなぁ……

？？「A」

『あ、小芭内』

小芭内の首にいる蛇さんが私を見る。

伊黒「A、いつになったら俺のところに来てくれるんだ」

『私はずっと蝶屋敷にいるよ…？それに小芭内は蜜璃がいるでしょ……』

小芭内は少しだけ驚いてから顔を顰めた。

伊黒「A、お前は何を言ってる？」

『え？』

小芭内は私の首を掴んで自分の顔に近づけた。

強く掴まれているわけではなかったから苦しくはなかった。

伊黒「俺が好きなのはAだ。

俺の目の前で他の奴の名前を言うとは良い度胸だ」

『でも、小芭内…前までは蜜璃の事が……』

そこまで言うと小芭内は私の首を掴む力を強めた。

『ちょ……！！お、小芭内……く、るしい……！！』

伊黒「次、俺以外の奴の名前を言ったらその口を縫いつけて話せなくなるようにしてやるからな」

『わかった……、だか、ら離して……』

小芭内は私の首から手を離し、頭を撫でた。

伊黒「俺の言う事を聞けば、いつだって優しくしてやるからな」

私は二、三回頷いた。

小芭内はもう一度私の頭を撫でると、帰っていってしまった。

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