「好きだよ」 (ページ21)

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68話　side-kj/side-fk ページ21

めめと2人、特に会話もなく教室に向かっているとあべちゃんとたくまくんと一緒に前を歩いていたラウールがこっちを向いた。
ru「ねえめめ！今日佐久間くんたちが勉強会やるんだって！僕たちも参加しようよ！」
ラウールがそう言うと、めめは少し考えて
mm「…やめとく」
と言った。
ru「ええーっ！！なんで！？あべちゃん僕より教えるの上手いから絶対めめのためになると思うよ！？」
mm「…急に参加するって言ったら迷惑に」
sk「全然迷惑じゃないよ！」
めめの言葉を遮ってたくまくんが2人の会話に入ってきた。
sk「なにも心配することないよ！人数が増えても連絡すれば問題ないし、それに康二もいるから気まずくなるとかないから！大丈夫だよ！」
ab「私も全然。むしろ大人数の方が楽しいよ」
「私もめめと一緒に勉強したい！」
ru「みんなこう言ってるし…ね？」
おねがい、と言って両手を合わせるポーズをするラウール。
mm「…わかった」
ru「やった！！」
ab「じゃあ、帰りのホームルーム終わったら迎えに行くから康二と教室で待っててね」

放課後。めめと話しながら隣のクラスのホームルームが終わるのを待っていた。
「めめって数学得意？今日数学やるんだけど」
mm「…得意じゃない」
「じゃあ得意な教科は？」
mm「…体育」
「嫌いな教科は？」
mm「体育以外」

sk「おまたせピーマン！！」
ru「おまたせ！！」
まだ少し人が残っている教室に3人が入ってくると、わずかにざわついた。ラウール目当ての女子だろう。
ab「2人とも、忘れ物はない？」
「なんかあべちゃん、小学校の先生みたいやなあ」
mm「…ないよ」
sk「じゃあ、しゅっぱーつ！」
たくまくんはそう言うとあべちゃんの手をとって走り出した。
ab「ちょっと佐久間！廊下は走っちゃダメだって！」
sk「あは！あべちゃんほんとに先生みたーい！」
ru「あ！2人とも待ってよー」

「私たちも早く行こう！」
私はめめにそう言うと、右手を差し出した。
めめは少し驚いたあと、
mm「…うん」
私の手をとった。

・
side-fk
照と一緒に教室を出ようとしたら目の前を全速力の佐久間と佐久間に引っ張られるあべちゃんが通りすぎていった。
そしてそのすぐ後ろからラウールがこれまた全速力で通りすぎていった。
「っとあぶね」
iw「大丈夫？」
「ん、だいじょーぶ。たく、廊下は走るところじゃねえよ」
とその時。
康二と見慣れない女の子が廊下を駆け抜けていった。
一瞬だったが赤い唇が目に入った。
「…康二の隣にいたの誰だ？」