6 マフラー ページ7
美容室から出て今度は違う店へと行く。
今度はネクタイが売っている店だ。
トントンから昇進祝いでもらったマフラーは黒色で血が目立たないようなもの。
あれからは毎日つけてたっけ。
夏になれば暑くて外していたけれど。
そんな思いを胸に秘め、新しいネクタイは黒がいいか。
それとも白か？軍服は黒だから…どうしようか。
いや、この際、軍服も変えてしまおうか。
そうだ、彼の髪色の
きっと喜んでくれるだろう。
高ぶる心臓の音を沈め、平然を装う。
けれど、体は正直なようで自然と足が速まる。
：
：
：
ふと、周りを見回してみる。
すると、最近やっと聞き慣れ始めたあの声が聞こえる。
「えっ、お兄ちゃん！どれでもいいの？」
「ええで」
この声は…目を凝らして声の聞こえる方を見てみる。
やっぱり。
和水ちゃんとトントンが服屋にいる。
マフラーを見ているようだ。
『なァんだ…』
トントンが見せた顔はあの日私に見せた顔と同じ。
私と和水ちゃん、重ねてただけなんだね。
けど、トントンもきっと辛かったはずだ。
私も、お兄ちゃんに気づいてもらえないし。
私は和水ちゃんの代わりだった？
優しい彼らだ。そんなはずない。
泣くな。我慢だ我慢。
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クロ - この主さんの考えがわかる気がする、、今後どうなっていくのか楽しみです。更新頑張ってください！ (2020年5月30日 0時) (
レス) id: 73b45698de (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ_ - コメント失礼します…！！ この作品大好きです…。 見てる僕まで胸が締め付けられるようでとても素敵だなと思いながら見てます…！！ 更新、無理しない程度に頑張ってください…！！ 応援しております…！ (2020年5月29日 11時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 夢主さんの感情表現がとてもリアルで引き込まれました…更新頑張って下さい！ (2020年5月29日 8時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガム＠オレンジ味 | 作成日時：2020年5月3日 13時
