ヘリクリサム【森田美勇人】 (ページ21)

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21. 安井謙太郎side ページ21

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ー過去

もうこのままでは無理だと思った

いま、旅立つ時だと感じた

長い間、この事務所でこの仕事をしてきた

全ての青春をここに捧げた

気づけば、ジャニーズJr.の中でも年長だった

事務所を辞める、それを告げるために

俺は７人を呼び出した

安井「…ごめん」

真田「…マジのやつだよな？」

安井「……俺は、このままここにいても

自分のやりたいこと何もできないまま

終わると思った。」

あまりにも静かで重すぎる空気

安井「７人はマジで才能あるし。

俺がいなくなっても、きっと大丈夫だと思うから」

声が震えた

自分で決めたくせに何震えてんだよ

だせーな俺。

ださすぎる最年長だな

安井「…ごめんな、みんな」

そのとき。

「…安井くん辞めるなら私も辞める」

Aが耳を疑う言葉を口にした

安井「…は、何言って」

「メンバーと事務所、どっちが大切かって言ったら」

Aの目は涙でいっぱいだった

「メンバーだもん」

必死に涙を溢さないようにしているA

「安井くんがいないジャニーズ生活なんて

何も楽しくない。私はそんなの絶対に嫌だ」

「だから、私も、事務所辞める」

その言葉と同時にAの目からは

あまりにも美しすぎる涙が滴り落ちた

なんて言葉を返したらいいのかがわからなくて

ただただ喉の奥らへんがキューと痛くて

その痛みに耐える

しばらく無言の時間が流れた末、

長妻「…じゃあさ、」

ボロボロに泣いている最年少のながつが口を開いた

長妻「……みんなでさ、退所する？」

くしゃくしゃな顔でたくさんの涙と共に

小さな笑顔で発せられた言葉はまさかのものだった