72. ページ23
.
明智side
原田に言われて反省して、父親を俺の代わりに殴り飛ばしたのを見たら、なんか少し心が和らいだ。
そこで、東条と若林とも心から和解することもできた。
だけど、そのときに「…よかったね、秀一」というか細い声が聞こえて。
ハッとして表情を見たら、それは今にも消えそうで。俺がこれで救われても、Aはなんもないし、むしろ同じ境遇の人がいなくなり一人になってしまうんだと感じた。
下の名前で呼ぶということは、限りなく弱っていることは間違い無くて。
ヤバイと感じた時にはもう遅く、Aはこの場を出て行った。
追いかけようにも体が痛んで行けない。
東条「…A!?」
明智「東条!行くな!!」
追いかけていこうとした東条は、思わず俺が止めてしまった。
いま、東条が行っても、同じ境遇でない奴が行っても、何の意味も無いことを知っていたから。
俺はゆっくり立ち上がり、原田に近づく。
明智「なぁ。賭けの話…」
原田「なに?」
明智「お前を一番最初に誰が辞めさせられるかって賭け。あれお前の勝ちでいいよ。俺、学校やめるから。俺の負けでいいよ」
東条「おいなんでだよ!!」
明智「お前のおかげで学校戻れたとか嫌だから。頼ったとか思われたくねえし。それに、Aを一人にもしたくねえんだよ」
原田「ああ?のぶおちゃんでしょ?いまあんただけだよ?私のことお前とか言ってんの」
明智「だからそういうの頼んでねえんだよ」
原田「なんでお前も、そして(人1)も、頼るのが嫌なの?」
明智「…どうせ、裏切んだろ?最後は俺らを置いていくに決まってんだよ……お前も、長井も、仲良いフリした奴らも。最後知らんぷりして殴って逃げるに決まってんだよ。どんなに信用しても…大体そうだよ、みんな」
気づけば自分の思いを言っていた。
2152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
# 永瀬 結海 - いつも、更新楽しみにしてます! 頑張ってくださあい !! (2019年7月4日 19時) (レス) id: bce38eef0d (このIDを非表示/違反報告)
barumi(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます…!!( ; ; )不定期な更新で申し訳ありません…! (2019年7月1日 23時) (レス) id: a3ada5e282 (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続きが気になります! (2019年6月23日 13時) (レス) id: 337efc6262 (このIDを非表示/違反報告)
いっちー - 続き見たい! (2019年6月16日 7時) (レス) id: 2169c2a8bd (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - この作品面白いですね!夢主ちゃんも救われますように! (2019年6月14日 9時) (レス) id: 337efc6262 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:barumi | 作成日時:2019年6月2日 18時