AFFECTION２［俺のスカート、どこ行った？] (ページ48)

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明智「俺らのクラスで俺らだけでなんちゃって卒業式やんのよ。」

「「「おー！」」」

明智「最初来た時もさ、ズカズカ入ってきて、最後出て行く時もズカズカってダメじゃね？あいつもやりたいかもしんないけど、俺もやりたいから。のぶおがやりたいことが叶うこと。」

秀一の言葉にみんなが賛成した。

でも、やっぱり、どうしても私は笑えなかった。

そんな、本当の卒業式を見せたらいいじゃん……そう言いたいけど、心のどこかでは、それじゃあ間に合わないでしょって冷静な自分もいて。

お昼、チャイムと同時に急いで鞄をとって誰にも居場所を伝えずに学校を出た。

今は何も話したくなくて。

着いた先は、秀一の家の扉の前だった。

「…なにしてんだろ、私」

自分の家に帰ることも、公園に行くこともせず、秀一のドアにもたれるようにして座り込む私は、どうしようもなかった。

結局、こうなるなら秀一に声かければよかったじゃん。

きっとそしたら、秀一は一緒に学校を出てくれたはず。話を聞いてくれたはず。

なのに、何も言えなかった。

一人で辛くて溢れそうになる涙をこらえながらパンの袋を開けてかじる。

そのとき。

「なにしてんの」

って声が聞こえて、急いで顔を上げた。

そこには、息が上がった秀一の姿があった。

「…しゅ、秀一…」

思わず名前を呟く私に、はぁ～と大きなため息をついて私の隣に座ると、同じようにドアにもたれる。

明智「…一人で飯食ってんじゃねぇよ」

「なんで…」

明智「いきなり飛び出すからマジびびったけど。Aなら俺の家に行くだろなって思ったから。予想当たって良かった。」

息が上がってることから、走ってきてくれたんだろうなって思うと、申し訳ない気持ちとともに、嬉しかった。