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今1番会いたいようで、会いたく無い人が立っていた。
「 なんで…紫耀…? 」
どうして私を追いかけて来てくれたの?
また私、勘違いしちゃうから…。
紫「 廉から聞いた…。 」
「 何を…? 」
紫「 見たんやろ?昨日… 」
紫耀の口から昨日の事を聞くのが嫌で、再び逃げるようにベンチから立つ。
「 なんのことかわかんないや…。 」
背を向け歩き出そうとしたが、それは紫耀によって防がれた。
紫「 なぁ…俺の話聞いてくれへん? 」
少し抵抗するも、捕んだ手首を離す気配は無さそう。
諦めて先ほど座っていたベンチに腰を掛ける。
紫「 ごめん…。 」
「 なんで謝るの? 紫耀は何も悪い事してない。 」
そうだよ。紫耀は何も悪くない。
勝手に私が失恋しただけ。
紫「 あの時話してれば良かったんやけど。 」
あの時とはおそらく私の家に集まった時だろう。
紫「 あれが、俺の好きな人…
だった。 」
「 だった…? 」
過去形ならなんでキスなんて…。
紫「 あの人…結婚しとるんよ。 」
「 へ…、不倫…!? 」
紫「 不倫…というか、俺、知らんかってん。結婚してた事。 」
紫「遊ばれてたんよ。」
そういう紫耀は表情1つ変えずかなり遠くを見ている。 心ここにあらずといった感じ。
紫「 気づいた時に、縁切れば良かったのに。
俺、ほんま好きやったから連絡来たらすぐ会いにいってた。ダメだって思ってんのに。
あ、でも最近は断れるようになったんよ。
ただ、泣いて電話来たのは流石に断るのは無理やったけど…」
「 それが…昨日? 」
紫「 …おん…ほんまアホやねん。俺 」
そう言いながら力無く笑った紫耀。
今にも消えてしまいそうで、無意識のうちに彼を抱きしめていた。
紫「 ……A…? 」
「 無理に…笑わなくていいんだよ。 」
紫「 ………。 」
最初は呆然としていたが、ゆっくりと私を包み返し、受け身だった紫耀が、逆に力強く抱きしめてくる。
紫「 お誘い断れるようになったんは、Aに出会ってからやねんで…。 」
初めて感じる至近距離での紫耀の甘い香りと、自分の鼓動で頭がクラクラする。
紫「 Aといれば、俺変われそうやねん。 」
少し体を離せば、さっきとは打って変わって 紫耀は希望に溢れた表情になっていた。
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りー(プロフ) - ととろさん» ありがとうございます(;_;)私も岸君には平野君から奪う勢いで頑張って貰いたいと思ってます!笑 亀更新ですがお付き合い下さい(^_^*) (2016年11月28日 2時) (レス) id: ddd52e45f4 (このIDを非表示/違反報告)
ととろ(プロフ) - 一番好きな作品です!平野くんとくっついてほしいのですが岸くんももっと頑張れ!とゆう気持ちでみています笑これからも更新頑張ってください! (2016年11月27日 20時) (レス) id: ceb33ecd27 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - はるひさん» ありがとうございます!きゅんきゅん出来ましたか?まだまだ平野君との絡みシーンが少ない気がしてますので、今後期待して待っていて下さい(*^^*) (2016年11月23日 0時) (レス) id: ddd52e45f4 (このIDを非表示/違反報告)
はるひ - このお話面白いしきゅんきゅんしました!次の更新も楽しみにしてます(*´ч ` *) (2016年11月21日 15時) (レス) id: c2bed1d8a8 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - わさおさん» 初コメントありがとうございます! 読者様の声が気になっていた所なのでとても嬉しいです。亀更新ですが今後ともお付き合い下さい(●´ω`●) (2016年11月14日 1時) (レス) id: ddd52e45f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りー | 作成日時:2016年10月24日 1時