ぼくらのきずな【気象系】 (ページ7)

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過去と現在の狭間５ページ7

雅紀side

未だ俯いている弟の名前を呼んだ

しかしまだ、顔を上げることをせず、
躊躇しているのがわかる

怒られるとでも思っているのだろうか

ぐいっと手を引っ張り、
こちらに引き寄せる

潤「っ！」

予想していなかったようで、
勢い余って俺の胸に収まった

雅「……」

潤「っ、…めんなさ…」

やっぱり、怒られると
思っていたようだ

俺の顔を見上げ、そのまま
黙っていると一気に涙を溜めていった

雅「…ふふっ」

潤「っ、にぃ…っ」

雅「怒っちゃいないよ～！」

潤「っ！」

やられた！とでも言う顔で
俺を見て、目を見開く

それを見て、さらに笑い出す俺

潤「…にぃ、ひどい…」

雅「ははっ！ごめんってば！」

やっと顔を上げてくれたし、
しゃべってくれたからね

呼び方が “あのとき” と同じ呼び方のまま

だけど、暗い顔はしてないから大丈夫

雅「あとで、智さんに謝んなよ？」

潤「…って、いやだった…」

雅「毎日やってるでしょ？同じだから」

潤「……ん、…やまる…」

雅「よく言った！偉い！」

わしゃわしゃ髪を撫でてやると
照れ臭そうに笑った

無理をしてない、自然な笑顔

この笑顔だよ

俺が毎日見たいのは

翔「雅紀ー？声が隣まで聞こえてるんだけどー」

雅「あ、ごめーん！」

智「おーい、ご飯だよー！」

ご飯ができたみたい

雅「今日はご飯、食べるでしょ？」

潤「…ん、やくそく…」

雅「ん、ちゃんと覚えてたね」

昨日、智さんの帰りが遅くて
みんなで適当に作って食べてたんだけど、
気づいたら潤は部屋に戻ってた

その前の日は食欲が無かったみたいで
茶碗一杯分も食べなかった

今日食べなかったら、
本人の意思関係無く病院で即点滴

点滴は嫌らしく、
今日はちゃんと食べるって言い切った

最低でも、茶碗一杯分

具合が悪くて残すのとは別だから

食べる意思が無いだけだから、
食べようと思えば食べられるってこと

雅「無理して食べちゃダメだからね？」

潤「ん、わかってる…」

前に同じ状況になって、
無理して食べて戻したことがある

同じことにはならないでほしいな…