最後の約束１ ページ36
雅紀side
AM7:00
雅「ふわぁ〜…」
まず起きて一番にすること、それは…
同じ部屋で寝ているもう一人を起こすこと
雅「ほれ、じゅーん！朝でーすよー！」
潤「ん〜…、朝から、元気だね…」
雅「ブツブツ言わないの。ほら起きろー！」
潤「あ、ちょ、寒いじゃん！」
雅「支度に時間かかるんだから、ご飯の時間だってあるし」
今日はあんまりにも手強いから
思いっきり布団を剥ぎ取ってやった
こうでもしないと起きてくれないからね
ほんっと昔っから朝苦手なの
潤「も、少し、寝たかった…」
雅「もう学校始まったんだよ？俺だって寝てたいけど…」
潤「じゃあ熱出て休みですーって」
雅「やぁだぁ〜、潤がいないと俺さびしー」
潤「うっそだぁ〜」
雅「ほんとですぅ〜」
最近お馴染みとなったこのやりとり
この前入学式が終わったばっかで、
春休み気分がまだ抜けてない俺たち
俺と潤は幼馴染で、今は居ないけど
もう一人の慎とよく遊んでた
雅「今日も一日がんばろ！そして今日こそは、友達を作る！」
潤「え〜…」
雅「えーじゃないの！作るったら作るの！」
潤「どうせ誰も寄って来ないよ…」
雅「はい！マイナス思考は禁止！」
小さい頃から人見知りが抜けない俺と潤
幼稚園の時も小学生の時も、
人見知りを発揮しまくっていた
そのせいか友達がなかなか出来なくて…
すぐに周りに溶け込める慎に
羨ましさとか悔しさがいつもあった
雅「“慎”が羨ましかったよねぇ…」
潤「…っ」
雅「すぐに溶け込める方法、聞いとけば良かったなぁ〜…」
潤「雅紀…」
雅「人ってこんなに違うもんかね？」
潤「まさ…っ」
雅「え…？」
潤「その話は…、しない約束でしょ…？」
雅「あ……、ごめん…」
心の中で話していたはずが、
声に出ていた
“あの日”以来、
潤は慎の話をしなくなった
気づけば慎の話はしないのが、
俺たちの中で暗黙の了解となっていた
それを俺がまた…
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作者名：雅宗 潤美 | 作成日時：2017年10月4日 19時
