偽りの自分 ページ2
Aside
吉原くんと付き合うことになり、キヨさんの家を出た。本当は吉原くんとは友達でいたかった。私が好きなのはキヨさんで、キヨさんといられる時が1番幸せなのに。なぜこんなことになってしまったんだろう。完全に私の不注意だった。もうこれ以上、キヨさんに迷惑はかけられない。
吉原「本当にキヨさんの家出てきたんだ。そんなに言われたくなかった?」
A「これ以上迷惑かけれないから。」
吉原「…ずっと思ってたけどさ、めちゃくちゃ好きだよね、キヨさんのこと。」
A「…そんなことないよ。」
吉原くんに好きな気持ちまで見透かされていて、思わず嘘をつく。知られたくない。嘘で自分を固めてガードを作るしか方法は考えられなくて。
吉原「ま、いいけど。俺と付き合ってるんだしね。お風呂先入っていいよ。」
A「私、後がいい。先入って。」
少し怪訝な顔をしたが、「お先〜」とお風呂場へ向かって行った。
すごく居心地が悪い。気持ち悪い。そんなことを思っていると携帯が鳴った。
A「もしもし。」
レ「Aちゃん?あのバイトくんと付き合ったってほんま?急にどうしたん?」
レトさんの電話越しでも優しい声に苦しくなって泣きそうになる。キヨさんが連絡したんだろう。レトさんは私の気持ちを知ってるからそりゃそうなるよね。
A「…キヨさんのためなんです。私、もうこれ以上の迷惑はかけられないから。…キヨさんに伝えてください。私は幸せでしたって。」
レ「ほんまにキヨくんのためになるならいいけど。とりあえずキヨくんに伝えるね。…1人で背負い込まないで、自分を責めないで、俺はAちゃんの味方だから。話なんでも聞くから。じゃあね。」
レトさんはそう言って電話を切った。どんな時でも味方でいてくれる。私が苦しいことを理解してくれてるんだと思う。レトさんには心配ばかりさせている気がする。申し訳ない。
でも、私が自分でやったこと。私が我慢をすればいいこと。だから、これでいいんだ。
どうかこの先、キヨさんがずっと実況を続けられますように。変わらずゲームが出来ますように。少しでいいから、キヨさんの中に私の存在が有り続けますように。ワガママまでもを祈りながら、吉原くんの前では自分を偽り続けることにした。
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えぬ(プロフ) - RX-00さん» 最初から読んでくださってありがとうございます!会話部分は勢いで書いていて、私の中のキヨくんの叫びが出ちゃいました笑 これからも楽しんで頂けるように書いていきますので、ぜひ、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年7月20日 16時) (レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
RX-00(プロフ) - 初めまして。パート1から読んでます。キヨくんの発言する言葉ひとつひとつがキヨくんの声で脳内再生されて、毎回笑わせてもらっています!「ガッチさんにときめかないで!」が個人的に大好きです(笑) (2022年7月20日 16時) (レス) @page47 id: d76f713c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えぬ | 作成日時:2022年6月5日 21時