原石の姫と雪男たち (ページ33)

今日:8 hit、昨日:14 hit、合計:263,504 hit

国王の優しさページ33

A

どんなにメンバーと仲良くても言えないことはある。

例えば…

「痛っ！」

大道具の角で腕を怪我した時。

痛いけど、こんなので怪我したなんて言ったら笑われる…

と思った私は、タオルで傷口をギュッと押さえて止血してた。

そしたらどこからともなく現れた国王

舘「A何してんの？」

「舘さん、」

舘「腕、怪我したの？」

「へへ、角で擦りました」

タオルを押さえてる手をそっと退けて傷口を見た舘さんは

舘「痕残るかもしれないからちゃんと手当てするよ」

って言ってスタッフさんから救急箱を借りてきてくれた。

舘「しみるよ」

「ゆっくり！！！してください！！」

舘「うるさい笑」

みんなに見られたくないのを察してくれたのかあまり人のいないところで手当してくれる。

「ああ！！しみる！！！」

痛みを舘さんの腕を掴んで我慢すると、痛い、俺が怪我するじゃん。ってまた笑われた。

舘「はい、できた。」

そう言って絆創膏を貼った傷口をペタッと叩いた

「いっ！もぉ…ありがとうございます…」

舘「ハハッごめんごめん、ほら行くよ」

救急箱片手に私をエスコートしてくれる舘さん改め舘様

みんなのいるところに戻ると

樹「なに、その絆創膏」

高「そのサイズの絆創膏、小学生の膝くらいでしか見たことない」

「大道具の角ですった」

北「どんくさすぎるでしょ」

京「え、絆創膏デカ！」

ジェ「絆創膏に絵描いていい？」

ほら見たことか。ちなみにこいつも。

渡「お前何、その絆創膏、ダサ」

舘さんの優しさが心に染みた。