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キヨさんに促されて部屋を出る。
あんなにつんつんしてて、私のことを見下していて、遊び同然だった彼の優しさが、よくわからない。
言葉こそ乱暴なことろがあるが、抱き締められた腕も、話しかけられた内容も、あの人なんかとは全然違った。
そう、全然違う。
ちゃんと、その人を見ないと。
貴「…牛沢さん」
牛「あ、どーした？」
にこりと笑ってくれる彼に、申し訳なさが浮かぶ。
貴「さっきはすいませんでした」
牛「気にしなくていーよ」
貴「でも…」
牛「なんかあったんでしょ？」
貴「…」
牛「キヨの家から送ってった日と全然違うから、雰囲気とか。でも、別にそんなの無理して話すことでもないし」
貴「…ごめんなさい」
牛「あー、もう！謝らないの！…じゃあさ、一個我が儘聞いてよ」
貴「え？」
牛「今日他のみんな、明日予定あるから、つって打ち上げしないって言ってんの。だから、Aちゃん付き合ってくんない？」
貴「私でいいんですか…」
牛「だから頼んでる」
貴「…よろしくお願いします」
小さく頭を下げれば、もうこれで謝っちゃ駄目だから、なんて微笑まれる。
やっぱり、牛沢さんだって全然違う。
男の人、なんてものでひとくくりにしたら駄目なんだ。
牛「あ」
貴「どうされました？」
牛「んーん、なんもない」
貴「ならいいですけど…」
牛「ちょっと手握ってもいい？」
貴「なんでですか」
牛「んー、本番に向けてパワー貰うため？」
貴「そんなこと今までされてこなかったでしょ」
くすくすと笑えば、それ、って言われて、びくりとする。
牛「そうやって笑ってる方が可愛い。せっかくなんだから、楽しいって思えるときだけで十分だからさ、笑っててほしい」
そう言って頭を撫でられる。
こんな風に男性に触れられることなんて、初めてだ。
貴「…それ、恥ずかしい、です」
牛「え？」
貴「頭を撫でられたこと、なかったので」
牛「何それ、いつでもしてあげる」
貴「…遠慮します」
なんだよ、なんて笑う牛沢さん。
キヨさんも牛沢さんも優しい。
そして他の共演者の方も、スタッフさんも。
そんなことあるわけない、なんて勝手に言い聞かせてた。
でも、自分が思ってる以上に、いろんな世界なあるものだ。
あの人に縛られた世界があったのも事実。
でも、これからは違う世界でまた頑張れるんだから、前を向かないと。
私が変わらなかったら、回りだって変わるわけないんだ。
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煎茶(プロフ) - コメント失礼いたします。三人の長所が絶妙なバランスで描かれていて至高の作品でした。この小説との出会いに感謝したいです。執筆お疲れ様でした。 (2018年8月27日 1時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - こねりさん» ありがとうございます(;_;)！！！内容が良い悪いはなんともいえないですか、いくつかお話は書かせていただいていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(*^-^*) (2017年10月23日 2時) (レス) id: 1e43dca40b (このIDを非表示/違反報告)
こねり(プロフ) - とっても面白かったです...！！うっしーがいい人すぎで、思わず読んでて泣いてしまいました...。新作の方も読ませていただこうと思います！！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: 8a30c5e030 (このIDを非表示/違反報告)
。。*ましゅまろん*。。 - ゆるさんの小説みてたら、下の告知がいないないばぁ！で笑いました笑 (2017年3月29日 15時) (レス) id: b56a98098d (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - 蒼乃さん» わかります！！！私も、他の方と交流すること全然なくてwwたくさんコメントでお邪魔しちゃいますね！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: 2348e913dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆる | 作成日時：2016年9月13日 3時
