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夜、海人を寝かせ、二人で話す事になった。
私は向き合ってきちんと話すつもりでいたのに
紫耀が、自分の足の間をポンポンと叩き
「ほら、A。ここにおいで!」
と言ったため、拍子抜けしてしまった。
未来の事だもん、真剣に話すもんじゃないの…?
という気持ちが表情に表れたのだろう、紫耀に笑われてしまった。
A「だって、大事な話をするのに…!」
言いかけた私の口を、紫耀がキスでふさぐ。
平「大事な話だからこそ、Aを感じながら話したいじゃん。」
「だから、俺の側においで。」
私は紫耀に後ろから抱きしめられながら、話をした。
平「俺さ、初めてAを見た時、びっくりした。
『綺麗な人』とか『俺のタイプ』だとかそういう次元じゃなくて、ああ、俺この人と一緒にずっと過ごしたいって思っちゃって。」
「初めて会った時だから、俺、旦那さんがいる人に何て事思うんだって、自分に突っ込んだりして。」
思い出したのか、紫耀が笑う。
平「抑えようとしたんだよ?だけど抑えるの大変でさ、旦那さんがいると思ってたのに俺、結構Aに触れたりしてたよね…?」
私は当時を思い出し、確かにそうだったと苦笑いをした。
「海人にさ、『パパはいない』って言われてこれはきっと運命だって勝手に思った。Aもそう思ってくれるといいなって思ってたよ。」
「でも、あの日…」
「Aが、あの、岸…さんだっけ?車で一緒に来て、ああ俺、この人の事何にも知らないのに勝手にその気になってたって思ったら、すげー自信なくして…。」
「Aと海人の前から逃げて、本当にごめん!!」
「でも俺、必死だった。いつか迎えに行くには、岸さんみたいにちゃんとしねーとなって。しっかり仕事もしたいって。だから、スポーツ保育の資格、もう一度取り直して、体の仕組みをちゃんと知って指導しようと思って、理学療法の講座受けたり…。少しずつ仕事先も増えて。」
「やっと自信がついた。だから、Aと海人の所に戻ってきたんだ。」
「迎えてもらえるか不安だったけど、A、ドア、開けてくれたっしょ?」
A「…ねぇ、もう泣いちゃいそうだよ。」
平「アハハ。泣くのはまだ早いよ!こっち向いて?」
紫耀の腕の中から離れて、紫耀の方を向く。
目の前には、指輪を持って微笑む紫耀。
「…俺と、結婚して。海人も一緒に、幸せにするから。」
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時