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海人の風邪が早く治ったため、仕事にも早く復帰できた。
復帰できたんだけど、紫耀先生と岸さんの事ばかり考えてしまって、身が入らない。
A「しっかりしなきゃ…。」
私は侑子さんに相談する事にした。
A「侑子さん、相談したい事があるんですが…。」
侑子さんは、私の顔をじっと見て言った。
侑「このところのAちゃん見てて、何かあったのかなって思ってたから、言ってくれて良かったわ。」
「海人君は預けられそう?」
A「はい。大丈夫です。」
侑「じゃあ、たまには二人でゆっくり飲みに行こうか。」
侑子さんがにっこり笑った。
休日の前日、私は海人を母に預け、侑子さんと食事に出た。
嘘はつきたくないし、会社に迷惑もかけたくない。
何より、私自身が道標が欲しい。
そんな思いで、侑子さんに全て打ち明けた。
侑子さんは途中で話を遮ったりせず、きちんと聞いてくれた。
私が話し終えると、侑子さんは、
「まず、Aちゃんね。」
と、私の顔を真っ直ぐ見た。
緊張して返事をする。
岸さん、取引先の方だし、怒られるのかも…。
侑「Aちゃん、自分の気持ちに素直になりなさい。」
意外な答えだった。
A「素直…。」
侑「そう。今の話で、私は答えが出ているように思えるんだけどな。」
答えが出ている…?
侑「岸さんの事はね、意外だったけど(苦笑)」
A「すみません。」
侑「ううん。失礼な態度をあなたは取らないと分かってるし、岸さんもきちんとされてそうだからそこは心配してない。」
侑子さんが微笑む。
侑「私ね、昔再婚を考えた人がいるの。」
「でも、前の夫を引き合いに出したり、子ども達の事を理由にしたりして、いつの間にか話は立ち消えになってた…。」
「ただ、私が臆病だっただけ。自分の気持ちに素直になれなくて、逃げたの。」
「すっごく後悔した。今でも思い出す事がある。だから」
「Aちゃんには、そんな思いをしてほしくないな。」
A「侑子さん…。」
侑「よーく考えてみてね。自分の全てを預けて、ついていけるか。自分をさらけ出せる相手なのか。何より、自分と相手が通じ合っているか。」
私と相手が通じ合ってる…。
頭の中に、あの人の顔がちらつく。
その後、私と侑子さんは色んな話をしながら、
ワイン2本を開けた。
途中で私も、なぜか侑子さんも泣いたけど
私はすっきりした気持ちになった。
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時