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帰る頃、海人は遊び疲れてしまったようで、
岸さんのおんぶでぐっすり眠ってしまった。
A「すみません…。」
岸「ははっ。いいよいいよ。大丈夫。でも、これじゃあAちゃんたち電車で帰れないでしょ?」
確かにそうだ。どうしよう。
岸「帰りは送らせて?海人君もゆっくり寝かせてあげようよ。」
岸さんの申し出を、ありがたく受ける事にした。
岸「先に海人君を乗せちゃうか。」
A「あっはい。」
岸さんの車には、ジュニアシートが積まれていた。
びっくりする私に、岸さんが笑いかけた。
岸「もしかしたら、と思って、借りといたんだ。」
海人を座らせ、私も助手席に乗り込む。
…本当は海人の横に乗ろうとしたら、岸さんに「Aちゃん、俺の隣に乗ってくれると嬉しいな…」と言われた。
戸惑ったけど、「俺が眠そうにしたら起こしてよ。」とも言われて納得した。
車で走りながら、ポツポツ話す。
ほとんどが仕事の話だったけど、岸さんの話も少ししてくれた。
岸「俺と俺の兄弟ね、父さんに育てられたの。」
A「えっ…?」
岸「父さんにはすげー感謝してて。
その事自体は何とも思ってないよ。
でも、どうしようもない寂しさっつーの?そういうのがあったのも事実なんだ。」
「だから」
「今日は海人君に、何かしてあげらんないかなと思ったんだ。」
A「岸さん…。」
岸「俺、今日Aちゃんの海人君を見る目が優しくてさ、母さんてこんな感じなんだって思って、何かぐっときて。」
ずっと前を向いて運転していた岸さんが、
信号待ちの30秒、私の方を向いた。
岸「俺…やっぱりAちゃんのこと…」
その瞬間、ぐっすり寝てたはずの海人が
「まま、ままー!」
と泣き出した。
A「海人?大丈夫?ママ、ここにいるよ!」
海「まま…。」
岸さんがフッと笑って前を向き、車は発進した。
岸「海人ー。」
海「なに?」
岸「また、ママと海人とお兄さんと3人で遊びに行こうな!」
海「うん!行きたい!」
海人の返事に、岸さんは嬉しそうに笑うと、
岸「また連絡するよ。」
と私に言った。
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時