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私は迷っていた。
岸さんは気軽な気持ちで言ったと思うけど、
父親を知らない海人にとっては、ハードルが高いのではないだろうか?
それとも、そんな重苦しく考えず、『ママの友達と遊ぶ』という感覚で、一日を過ごせばいいのか。
岸さんの感覚でいけば、圧倒的にそうだろう。
彼にとっては別に他意はなく、本当に子供が好きで出た発言なんだろうけど。
それでも、『男の人と出かける』事が今までなかった海人は、それをどう感じるか、その後の私と海人の関係がどう変わるか、分からず、深く考え過ぎて分からなくなってしまった。
A「はぁ…どうしよ…」
ため息をつきながら、海人のお迎えに行く。
ふと園庭に目を向けると、彼が、
平野先生がいた。
私の目は彼に釘付けだ。
違う方を向こうとしても、いつの間にか目で追ってしまっている。
幸い一緒に海人がいたために、私は「海人を見てるんだ」と自分に言い聞かせた。
と、そこへ、海人が言っていた、バラ組の先生が来て、二人は笑顔で話し出す。
同僚としての、普通の場面。
それでもなぜか私は、自分の胸が痛むのを感じた。
そこへ、海人が平野先生に話しかけた。
と思った次の瞬間、平野先生が海人をヒョイと
肩車した。
初めは怖がっているように見えた海人。
平野先生の頭に手を回してしがみついていた。
それでも少し慣れてくると自然と手は離れ、
体は真っ直ぐになり、大きな声で笑いながら平野先生の肩に座っていた。
平野先生も大口を開けて笑う。
彼が生きていたら、こんな風に肩車をしてくれたんじゃないか。
平野先生の楽しそうな姿に、彼の姿を重ねてしまい、涙が流れた。
決めた。
『パパ』じゃなくても、何も難しく考えず、
岸さんと遊んでもらう機会を作ってもらおうと。
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時