アナタの事、好きだけど愛してはいない (ページ37)

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24話エスパーページ37

「…坊っちゃん…？一体何を…？」
「…ユリー、マリー…彼処までやれとは言ってない…」

二人で呆然と悲鳴があがる教室を廊下から眺める。
…犯人はユリーちゃんとマリーちゃんか。
坊っちゃんは「行ってくる」と教室のドアへ近づく。が…くるりっと私の方を向いて指を指した。

「A！もう少し屋敷に顔を見せろ！皆、心配していたぞ！」

ふんっと、顔を赤くしながら私に告げる。私は「分かりました」と頷いた。

…数分後、坊っちゃんと…その後ろからユリーちゃんとマリーちゃんに羽交い締めにされ、連れていかれる城田くんと1番目をトイレから隠れて見ていた。
…ありゃ、連れて行くっ言うよりも拉致って言うもんだ…。

―夜
お風呂上がりに吸血鬼SNSで情報を見ていた。私も一応投稿をする。
アカウント名は「ウラカタ」
綿貫くんが話していた「街は既に吸血鬼の巣窟らしい」と呟いたら…「具体的な情報下さい！」と突っ込まれてしまった…。

情報を改めて見て思うのは…皆、椿やそのサブクラスに怯えてる、と言う事。
椿のサブクラスは日中でも行動が出来る。
どれが吸血鬼…なんて分からないのだ。
…綿貫くん。例の件で彼も注意するようにしてるけど…彼は吸血鬼の噂や話をよくするが…決定的な証拠は無い。

…ともかく注意なんて出来る範囲と出来ない範囲がある。
武器(リード)。私も持つべきなのかな…。でも、四ツ葉は持たせてくれないし…。

うーん…と考え事をしていると…「考え事か？」と四ツ葉が太股辺りから…ぐっと持ち上げられ、膝の上に抱っこの状態にされた。
…うん、まぁ…この体勢、昔から良くしてて落ち着くから好きだけど。

「兄さんからのメール。気づいてないのか？」
「メール？」

確認をしてみる。確かにメールが届いていた。
吸血鬼のSNSと考え事に夢中になっていたので気づかなかった。
送られてきた内容は… 「城田くんが仲間になったので此からは監視ではなく、サポートをお願いします」との事だった。
…如何にも城田くんらしい。でも、此がベストかもしれない。

…サポート。基本、情報を聞いたらリリイさんに連絡する事が仕事。でも…今からは戦闘方面も考えた方が良いかもなぁ。
身体能力と回復力、それに生命力には自信があるが…リードが無い。
…リードの事ちょっと相談してみようかな…。と、四つ葉に問い掛けようとした、瞬間だった…。

「…。…なぁ、A。お前…リード要るか？」

……エスパーかよ……。