アナタの事、好きだけど愛してはいない (ページ29)

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18話和服サングラスに捕まったページ29

…城田くんが消えてから直ぐ様リリイさんに連絡を入れる。どんな風に消えたか、何処で消えたかを明確に伝えた後、電話を切った。

…取り敢えず、私はこの辺りを散策して何か手懸かりが有ればリリイさんに連絡しよう。
……しかし…散策開始から40分が経ったが、何一つ手懸かりは無い。路地裏で猫の鳴き声がして入ったけど…1番目では無く、ただの野良猫だった。

…うーん、もう四ツ葉に連絡して家に帰ろうかな…？
リリイさんになら任せても大丈夫だし…。
四ツ葉も迎えに行くって言ってたけどバイト有るし…。
学校に戻ればサボりだとバレて生徒指導だろうし…。

はぁ… と俯き気味に溜め息を付きながら路地裏を後にしようとしたが…下を向いて大通りに出たのが悪かった。
とんっと、人にぶつかってしまったのだ。

「あっ、すいません…」
「…あれ？君は…」

会釈をしながら謝るが…その人はまるで私に会った事の有る口振りで呟いた。
知りあいかな？と顔をあげる。
…ソコにいたのは黒髪で、黒い着物に白い羽織…そしてサングラスを掛けた青年だった。
…和服にサングラス？何その個性的なファッションセンス。

いや待って、それより…アナタどちら様で？

…知らないよ…こんな人…。
でも、その男性は「あの時の君かー。大きくなったねー」と上機嫌に私の頭を撫でる…ちょっと待って本当に誰？助けて四ツ葉。
言いたい事は山程あるが…まず撫でるんじゃないよ不審者め。

大きくなったね？幼少期に会った事ある人？でも、こんな個性的なファッションの人…嫌でも覚えてそう。
…すると私が覚えてない事を察したのか、ブーブーと口を尖らし「えー、忘れたの？酷いなぁ…僕だよ、僕！」と僕を連呼し始めた。

…ＯＫ…。理解したよ。…アンタ詐欺師だな。俺俺詐欺の僕バージョンか。
…なら呼ぶべき者は四ツ葉では無いな。
私はスマホの電話を「110」と打ったものを男に見せつけこう言った。

「その詐欺は顔を見せてやるもんじゃ無いと思います」

男が撫でていた手を払い、首を振りながら言ってやった。真顔で。

…すると男は何故か…

「あはっ…あははっ、あははは！君変わってないね！あははは！あはは！」

発狂した。
…え、何で？何この人超怖い。
そして狂った笑いが落ち着くと…

「あー…面白くない」

最後の最後に吐き捨てた。
では何故笑うのだ意味分からん。

…もう嫌…助けて四ツ葉。助けて警察。
…このまま110に通報しても良いかな…。