＊195 ページ49
.
「俺達、やっぱ似てんのかも。｣
高嗣の腕の中でその顔を見上げると、緩く笑ってる。
「俺も……これ渡そうと思ってた。」
抱きしめてた腕を解いて、ポケットから何かを出して私に差し出す。
高嗣の掌には、さっきとは別の鍵。
「新しい……俺んちの鍵。」
私の手に乗せると、その手を両手でギュッと包み込まれた。
大好きなその手から伝わる温もり。
「Aちゃんに逢えて良かった。
俺さ、、Aちゃんがいなくなってからずっと考えてた。もしかしたら、Aちゃんは俺なんかよりもっと普通の人の方が、幸せになれるんじゃないかって。
一緒にいたいって思うのは俺のエゴかもしんないって。だからこのまま離れた方がいいのかなって。
でも、全然ダメだった。
やっぱAちゃんが好きで、Aちゃんにそばにいて欲しくて。
半年、、、長いけど、きっとすぐだから。今度帰国する時は、、俺んとこに帰ってきて欲しい。
だから………これ、持ってて？」
高嗣はいつだって、前を向いてるね。
「………ありがと。
私も高嗣に逢えて良かったよ。｣
私だって、、、こうやって手が触れるだけでドキドキして、抱きしめられたらもっと嬉しくて。
｢高嗣が笑ったら、私も笑顔になれる。だから高嗣のエゴなんかじゃない。
私も高嗣と一緒にいたいし、そばにいてくれるだけでいろんな事頑張ろうって思えるよ。」
まっすなその瞳に吸い込まれそうになる。
「じゃあ、約束して？帰ってきたら今度こそ一緒に、桜見に行こ！」
そう言ってとびきりの笑顔で、もう一度その腕の中に強く私を抱きしめた。
.
広がる夜景を、飛行機の窓越しに見下ろす。
瞬く光の中のどこかにいる高嗣に、心の中で“行ってくるね”って呟く。
機体が旋回すると、輝く月が見えた。
その白い瞬きに祈る。
たくさん泣いて迷った日々。
でも……見えない糸は繋がってた。
奇跡みたいにめぐり逢えたひと。
未来のことはわからないけど……今は目の前のそれぞれの道に向かう。
いくつもの季節を超えて、きっと2人の日々はこれからもずっと続いてくから……この先何があっても、もう迷わず進んでいける。
大好きなメロディを奏でるみたいに、これからの日々を同じリズムで紡いでいけますように。
静かな白い月が、2人の未来を照らしてくれる様に光った。
♪。.:＊・END.:＊・♪。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろん(プロフ) - にかはるかさん» ありがとうございます(^^♪私にとっても思い入れのある2人なので、完結してちょっと淋しくもあります。まだノープランですが、2人の未来をゆっくり考えてみますね。 (2019年10月24日 10時) (
レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 完結おめでとうございます！２人の関係がすごく好きでした。最後は号泣でした。高嗣サイドも続編も短編も待ってますので宜しくお願いします！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» ありがとうございます！後半は少しハラハラさせてしまってゴメンなさいw。私的にも、ゆっくり柔らかく愛を深めていく2人を描きたかったので、伝わってくれてるとすごく嬉しいです。 (2019年10月7日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 連載お疲れ様でした！！すごく良いお話でした…。ほっこりするというか、にかちゃんと主人公ちゃんの間には、ゆったりほんわかした雰囲気や空気感が感じられました。読んでいてハラハラする時もありましたが、読み終わるとほんわかした気持ちになることが多かったです。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ひよさん» ひよさん、あたたかい言葉ありがとうございます。そして｢にかちゃんがにかちゃん｣って言って頂けてホッとしています♪続編、まだノープランですがwゆっくり考えますね！ (2019年10月6日 1時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろん
| 作成日時：2019年6月25日 17時
