INNOCENT DAYS ３

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「ピアノ………大変？」


「うん、、、でもやりがいがあるし、毎日充実してる。」



私の部屋の小さなベッドの中。


窮屈だけど、否応なしにぴったり身体がくっついてるから………本当はすごく安心出来る。




「ねえ、Aちゃんはさ、ホントはこうやって………急に来られると迷惑？」


「全然！そんなことないよ。」


もしかして、、、高嗣もコンクール前の私に気を遣ってくれてたのかな？



「………来てくれて嬉しかった//。」


だから、ちょっと恥ずかしいけど正直な気持ちを伝える。



高嗣だって忙しいのに、私に逢いたいって思ってくれたこと、そしてわざわざこうして逢いに来てくれたこと………嬉しいに決まってる。



「そう？」


「うん。びっくりしたけど、、、嬉しい//。」


「ほらー！」


「え………？」


ほら、、、って何が？


「だからぁー合鍵、もっと使って？………俺だって、自分ちに好きな人がいてくれたら嬉しいのー！」


「あ………そっか///………うん//。」





ベッドサイドのほのかな灯り。



暗くても、高嗣がちょっとだけ恥ずかしそうな表情をしてることはわかる。



“好きな人”って思わず高嗣が漏らした言葉に、ドキドキして………嬉しくて。



忙しいかな？とか、疲れてるかも…とか、いろいろ考え過ぎて行動に移せないのは、私の悪い癖。



そんな私の事をわかっていて、ちゃんと“大丈夫”を伝えてくれる………ちょっとだけ遠回りな高嗣らしい優しさ。





高嗣の綺麗な指が私の前髪をかき分けて、おでこにそっと熱い唇が触れる。



その手で優しく髪を撫でられるだけで、もう私の心の中は蕩けそうに甘く色付く。



募っていく大好きの気持ち。



思わずギュって抱きついたら、強く抱き返してくれる。



一瞬………高嗣の体温が上がったような気がした。









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あんなにうるさく鳴いていた蝉の声がいつの間にか聞こえなくなって、秋の虫の鳴き声に代わってる。



過ぎ行く夏を惜しむ間もなく忙しい毎日が過ぎて、秋の色が徐々に深まっていく。




高嗣たちは夏のツアーが終わってからも、今度はユニットでの次のお仕事が発表されて、それに向けて大変な日々。



身体作りのためのトレーニングと食事制限までしながら、レギュラーの仕事をこなしつつ音楽番組に出演したり、、、って休む間もない位。





高嗣って、、アイドルって、、、すごいんだね。




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