INNOCENT DAYS ３

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広い店内には木製のテーブルとイス。


………そして、ガラスのショーケース。



「いらっしゃい。」


目尻に笑いジワを作って奥から顔を出したのは、いかにも職人さんって雰囲気の40歳前後の男の人。


黒いエプロンに、腕まくりした白シャツ。


日焼けした浅黒い肌に、薄い口髭が似合ってる。





「藤田さん、お久しぶりです！」


高嗣の挨拶と一緒に、私も頭を下げる。



2人は知り合いらしくて「最近どう？」って話し出したら止まらなくなってるから、私は何となく店内のショーケースをのぞいてみる。




ショーケースの中は、、、



様々なデザインのリング、ネックレス、ピアスやネックレス達。


………どうやらここはジュエリーショップらしい。





しばらく眺めてたら“藤田さん”がこっちに来て


「良かったらゆっくり見て下さいね。」って言ってくれた。


「ハイ。どれも素敵なデザインですね。」



聞けばすべてがここのオリジナル作品で、奥様と2人…奥にあるアトリエで制作しているらしい。


だからどれも一点モノ。



今日、お店は定休日らしくて、奥様はお出掛け中。


高嗣のために特別に開けてくれたらしい、、、。



そんな話をしてる私達を、高嗣が緩く微笑みながら見てる。



「どんなのが好き？」


高嗣が私に聞く。



「好きなの選んで？」


「私が？」


……高嗣のアクセサリ―を私が選ぶの？



「うん。Aちゃんにプレゼントしたいんだけど、俺…自分じゃよくわかんないから好きなの選んで？」


「え………私に///？」


まさかの。




「ククク…何？そんなに驚かなくたっていいじゃん。


………あのさ、お守り代わりにして？コンクールの時に。」



高嗣は笑ってるけど、急にそんなこと言われたらびっくりするでしょ？



「だって、、、いいの///？」


「うん。そのためにここに来たんだし。」



戸惑う私に「ほら、早く見て？」って手を引っ張って、そばのショーケースを一緒にのぞいてる。



…………ドキドキ。




藤田さんは最初からわかっていたらしく、私の好みをいろいろ聞いてくれる。


ピアスホールは開けていないし、ピアノを弾くとき私は指輪はしない派だから、ネックレスを中心に見る。



「オーダーメイドもできるから希望があったら言ってね。あ、、、そういえば、ちょっと待ってて。」



そう言って藤田さんが奥から何かを持ってきた。


「これね、まだできたばっかりで店頭に出してなかったヤツ。」



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