*11〜back in time ページ11
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両親の離婚は、本当は前から話が進んでいたみたい。
母は私に何度も「ゴメンね」って謝った。
別にお母さんだけが悪い訳じゃないのに。
私も4月からは中学生だから、母方の姓に変えるのにちょうどいいとか、、、そんなタイミングをみての離婚だったみたい。
兄は父方に……ということだったけど、実際は春から東京の大学への進学が決まっていて、向こうで1人暮らしをするため、親権を持った父が経済的な面倒をみるということらしい。
私はベットの中で声を殺して泣いた。
離婚の事、、お兄ちゃんの事、、、
自分の感情の持って行き場がわからなくて。
結局、私の知らないところで、いろんなことが勝手に決まってた。
お兄ちゃんだって、いくつか受けた大学の中で、私はてっきり地元の大学を選んでくれるとばかり思い込んでた。
コンコンって部屋のドアがノックされ、お兄ちゃんが入って来る。
「A」
布団の中で私の名前を呼ぶいつもの声が聞こえたけど、今はお兄ちゃんの顔を見たくない。
「A?」
もう一度優しい声がして、布団がめくられる。
お兄ちゃんに泣き顔を見られたくなくて、反対を向く。
お兄ちゃんは何にも言わず、ただ私の髪を優しく撫でてくれる。
「お兄ちゃんのバカ」
「うん」
「どこにも行かないって言ったのに」
「うん」
「ずっと一緒にいるって言ったのに」
「うん……ゴメンな」
「…………」
ただの八つ当たりなのに。
「どうしてお兄ちゃんが謝るの!?お兄ちゃん悪くないのに!」
自分でも無茶苦茶なことを言ってるのはわかってるから、そんな自分が余計嫌になる。
だけど、お兄ちゃんはやっぱり私よりずっと大人で、何にも言わずそのまま髪を撫でてくれる。
少しの静寂。
「私……早く、大人になりたい。」
「そう?俺はさ、Aが可愛くて可愛くて、、、ちっちゃいままでいて欲しいってずっーと思ってたけどね」
そんなことを言うから、思わず反対を向いてお兄ちゃんの顔を見た。
そしたらものすごく優しい目で、私を見てくれてる。
「チビの頃は、ずっとお兄ちゃんお兄ちゃんって後ばっか追いかけてきて可愛かったのに、、いつの間にかこんなに大きくなっちゃって」
「………。」
「ほら、今日はもう寝な」
そう言ってまた瞼を優しく撫でられると、私はいつの間にか眠りに落ちてしまう。
お兄ちゃんには、敵わない。
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めろん(プロフ) - nanacoさん» 初めまして!…というかnanacoさんはnanacoさんなんですね!←(笑)私、よく読ませて頂いております♪一気に読んで頂いたなんて嬉しいです。更新頑張りますね(*^^*) (2020年8月25日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 初めまして(*´ω`*)♪ おすすめの欄で見かけて一気に読ませて頂いたのですが……登場人物の関係性や設定がすごくワクワクするもので、過去を振り返りながら進んでいく今、という描写の仕方がすごく好みです(TT) 続きも楽しみにしております (。>ω<) (2020年8月25日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - チーにゃんさん» チーにゃんさん、コメントありがとうございます。そして、名前のアドバイスも!!まだ思案中なので、参考にさせてもらいますね♪続きも頑張ります。 (2020年7月27日 0時) (レス) id: 230cd38611 (このIDを非表示/違反報告)
チーにゃん - いいお話しでした。あとは大倉君のあだ名ですが、親戚からは、たーちゃん、ただよっちゃんと呼ばれてる見たいなので、どうですか?続き待ってます。 (2020年7月26日 3時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2020年7月7日 12時