検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:56,095 hit

8* ページ9

Side Miyata





「ちょ、ほれ玉!鍵出して?」


「んー」





住所的に玉のマンションであると思われるところに到着。


そこの3階の角部屋に住んでるらしい。





鍵を受け取って部屋のドアを開けると、


玉はドサーッとそのまま玄関に倒れ込んだ。






「お邪魔しますよ、ほら、ベッドどこ?」


「ベッド…?ない」





嫌がる玉を無理やり背負って奥の部屋まで連れていった。


だって玄関でそのまま寝ちゃうなんて冷えるし体に悪いでしょ?





「あーじゃあ布団どこ?」


「ふとん?もってない」


「は?」





ヘラヘラ笑ってる玉。


支えた背中はめっちゃ暖かくて、見たこともない甘えた状態の玉。


でもそんなこと言ってらんない状況に気が付いた。





「……ねぇ」


「んー?みや?」


「ここ、本当に自分のおうち?」


「ん、そうだよ?ふふん……みや来てくれて嬉しい」





ふにゃふにゃニコニコして俺の背中に顔を擦り寄せてくる玉の周りには、


俺と、ちっさい本棚。




8畳くらいの部屋なのに、それしかないんだ。





今まで他のことで気が付かなかったけど、


全く生活感とかがない。


人が住んでる形跡みたいなのが全然感じられない。





……でもとりあえず部屋の真ん中に座って、玉のネクタイを解いてあげた。





「……あぁ、引っ越したて?」


「なにいってんのぉ〜、もうここ大学2年からのおっつっきっあっい〜」


「え……」





……異様すぎる。


なんで家具がないんだ?





「ねぇ、ベッドじゃなくてもいいからさ、他に家具買わないの?」



「……かぐ?」




そう聞いたら、ニコニコしてた玉の顔が急に悲しそうになった。


目線がキュって下に下がって、俺の方を見ようとしない。


その顔があまりにも普段と違って、途端に心配になった。




……しばらくの沈黙の後、玉が俺の後ろに回って背中にくっついてきた。





「…玉?」


「みやにだけ言うんだけどね?…家具はすぐこわれちゃうの」


「え?」


「家具はね……
俺の大好きで、大事なものなの。だからね、壊れるとこはもう見たくないから、置かないの」



「……ふーん、そっか」



「うん」





ふーんそっか、なんて言ったけど、


玉のその悲しそうな声を聞いたら守ってあげなきゃって感じがして。





……たぶんそのせいだ。





「みやぁ…キスするね?」




断ることはしなかった。


温かいものが、唇に触れた。

9*→←7*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
218人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , 宮玉 , ノンリアル   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです!楽しみにしております! (2021年9月4日 21時) (レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて!嬉しいです…本当にありがとうございます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます!ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています!この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます! (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ!お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りんご | 作成日時:2017年4月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。