Phantom of the Office

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Side Miyata



「心理的ストレスですね。相当溜まっているようです」


「…はあ」




玉はまだ青い顔をして、白いベッドの上で酸素マスクをつけられて眠っている。



俺の目の前で気を失った玉は、


それから6時間経った今も人形のように眠ったまま。






「臓器や耳の機能も落ちています、ここまでのストレスがかかる人も珍しい」


「………」


「とにかく本人にも話してみてください。ご家族にも。必要でしたらうちの心療内科に紹介状も書きますので」


「…わかりました、どうも、」







救急車を呼んで駆け込んだ病院。


……こんなシチュエーション、望んでなかった。




玉とまた話したいって、


また前みたいに笑って、戯れたいって


それだけを望んでたのに。




今俺の前にいるのは、


ぐったりと力を失い、胃の中身全てを出し切り、


無感情に目を閉じている玉。






「なんで…」






担当医はもうすぐ目覚めるだろうって言ってたけど、


その時間が永遠にも感じられる。






…北山さんとはどうなったのか。


なんでそんなにストレスがかかってるのか。






数ヶ月前には全てを知っていた玉が、


今では何も知らない誰かになっていた。






戻ってきてよ。玉。


あの続きの言葉を言わせて。






「玉。愛してるよ」





だから、


辛い思いなんかしないでほしいよ。


辛いことあっても、全部教えてほしい。








早く起きて玉。


全部全部俺に教えて。


北山さんのことなんて忘れて。


俺のことまだ好きなんでしょ。








俺は、玉との未来が見たいんだ。

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