24* ページ25
Side Miyata
玉が目を覚ました。
ずっと高熱で、このまま死んじゃうんじゃないかと思うくらい魘されてた玉。
起きた途端に泣き出しちゃって、
でもこれがホントの気持ちなんだなって俺にはすぐ分かった。
「宮田…ごめんね……」
「宮田…ありがと……」
背中をゆっくりさするごとに、
その透明な涙が一粒落ちるごとに、
ごめんねとありがとうをたくさん繰り返す玉。
俺はその全部に大丈夫、いやいやと返す。
ごめんねとありがとうなんかいらない。
俺はただ玉が元気になってくれたらいいよ。
……ああもうだめだ。
俺は玉が心配で心配で心配でたまらない。
……つまるところ、
愛してるんだ。
もう我慢しなくてもいいかもしれない。
だって玉はゲイだ。
俺は知ってる。
酔ってキスをされるたびに、玉は昔の彼氏の話とかをしてくれたから。
その話を聞くのが回数を追うごとに辛くなって、
その度に俺は玉が好きなんだと思い知る。
「……玉」
「…ん？」
こんな熱のある状態の時に言うなんて、
俺は卑怯なのかもしれない。
でも。
この気持ち、伝えたい。
玉が俺に好意を抱いてるのはわかってるんだ。
「……玉」
「……あの、さ」
俺、玉のこと好きなんだ、
言いかけたその言葉は途中で言えなくなった。
「……！」
「え、玉？」
「……っ、」
「……なんで、泣くの？」
止まったはずの玉の涙がまた流れ出して、
大きな雫がポロンポロンと床に落ちて弾けるのが見えた。
「っみやた……、ごめん、帰るね」
「え、」
「……ほんと、ごめん……ごめんね」
床に何個かの小さな水たまり達を残して、
玉は逃げるようにドアの向こうに消えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです！楽しみにしております！ (2021年9月4日 21時) (
レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて！嬉しいです…本当にありがとうございます！ (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます！ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています！この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます！ (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ！お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんご | 作成日時：2017年4月22日 18時
