今日も好き。ｰRen.Nｰ (ページ8)

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story7 ページ8

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学校から駅までの間永瀬くんは自転車を降りて私にペースを合わせてくれる

当たり前かのように車道側

・・イケメンはやる事までかっこいいね

永「……」

『……』

永「……」

『……』

すごく沈黙が気まずい

なにか話題を必死に探している私と1点を見つめてぼーっと歩いている永瀬くん

『永瀬くんなんか元気ないね』

永「…先輩のせいやん」

『え？私？』

私のせいでこうなってるいるなら、謝らなければいけないのだけれどほんとに思い当たる節が無い

永「今日の朝」

『朝？』

永「うん」

『…もしかして岸の事？』

永「……」

黙るという事はそういう事か

・・って待って、

『え、まだ引きずってんの？』

永「…っ！バカにすんなや！」

『いや、そんな気にする事じゃなくない？』

岸とは普通に話してただけだし、ここまで引きずっているとは思わなかった

永「いつもあんな感じなん」

『岸は中学の時から仲良いの』

永「…好きなん」

『え？岸はそんなんじゃないよ？』

さっきからぶっきらぼうに嫉妬心メラメラで投げられる言葉

ほんとに大きい子どもの面倒見てるみたい

永「先輩さ、俺が他の女子と話してたらどう思うん？」

『いや、別になんとも』

永「…そっか」

ギスギスした空気が流れている間に駅に着いた

『えっと、また明日ね』

永「……」

バイバイしようとすると無言で腕を引っ張ってくる

『えっと…何？』

永「俺にチャンスってあるんかな」

永瀬くんは私の顔を見ようともせずただ俯いているだけ

『永瀬くんらしくないね』

永「先輩はどうやったら振り向いてくれるん？」

『……ごめん』

変に期待を持たせるのは良くないけど、

傷付けたくなくて結果〝「ごめん」〟という無難な言葉に逃げている私

この優しさが逆に永瀬くんを傷付けているのかな

永「…じゃあね」

『あ、うん。バイバイ』

いつもより元気が無く、背中が小さく見えた

。