今日も好き。ｰRen.Nｰ (ページ4)

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story3 ページ4

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私だけ電車通学という事で帰りはいつも1人

・・なんだけど

永「あれ、山田先輩？」

『…げっ』

永「先輩って電車通学なんですか？」

『うん。そうだよ』

なんでいつもは会わないのに今日は面倒臭い後輩に捕まってしまったのか

永「自転車パンクしちゃって俺も今日電車なんすよ！」

『え、いつパンクしたの？』

永「学校来る前」

『今日自転車で学校来てるの見たけど』

永「……」

すると分かりやすく永瀬くんの目が泳ぎ出す

『パンクしたのって嘘でしょ？』

永「……」

『……』

永「だって！先輩とちょっとでも話したかってんもん…」

だんどんと語尾が小さくなる永瀬くん

なんだか拗ねてる子どもみたい

『いや、毎日学校でも話してるじゃん』

永「先輩の好きな食べ物は？」

『え？急に何？』

永「好きな教科は？」

『……あのさ、』

永瀬くんは懲りずに質問を続けてくる

私が怒ると思っているのか黙って俯きながら歩いている。少し可哀想だけどちゃんと言わなくちゃ

『永瀬くんの気持ちはすごい嬉しいの。だけどね、私永瀬くんの気持ちには応えられない』

・・よし、ちゃんと言ったよ

私なんかじゃなくてもっと可愛くて良い子見つけて新しい恋してほしい

永「ねえ、先輩」

『…ん？』

永「先輩はさ俺の事少しぐらい好きになろうとしてくれた？」

『え？』

永「なんで何も知んないのにそういう風に断んの？何も知りたくないほど俺の事嫌い？」

永瀬くんの顔を見るとどこか寂しそうだった

永瀬くんはメンタルの強い子だと私が勝手に思っていただけで、無意識のうちに傷付けてたのかな

『ごめん』

永「…それって何に対してのごめんですか？」

〝「ごめん」〟という言葉に敏感な永瀬くん

そっか。まあ話の流れ的に嫌いって事になるのか

『いや、今まで沢山傷付けてごめんねのごめん』

永「ちょっとずつでいいからさ俺の事もっと知ってよ」

『…うん』

今日はお互い電車だからいつも以上に沢山話した

永瀬くんはすごく楽しそうにくしゃっとした笑顔で私まで少し嬉しい気持ちになった

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