悪戯

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「ちょ、は！なんで外でてるん」
「お、やっときた」
「女の子なんやからちゃんと家の中で待ってなさい」


「襲われたの俺のせいにされたら困るし」って、照れ隠しを挟んでくる廉を少し小突いてやる。


「どこいくの？」って私の声を無視して「ええからええから」って腕を引っ張られる。

居酒屋について手を引かれるまま、まあまあ広めの個室に入る。

女の子とか男の子とかいっぱいいて、え、私全員知らないし場違いすぎじゃない？


ふと目に止まった女の子に囲まれてる男。前髪を分けて片方だけあげてる、茶髪の髪。後ろからでもわかる、岸じゃん。ぜったい。分かる。


ていうか、なにあれ？女の子に囲まれてヘラヘラ嬉しそうにしちゃって、耳、赤いし。酔ってんの？ムカつく。


「廉、なにそのカワイイ子！」


うえ。チャラそ。背高くて細身でスラッとしてるけど見てわかる、チャラい。ぜーーったいチャラい。

わたしが苦笑いしてたら「この子はだめやからなー！俺のやからなー！」って廉がそいつを押し返してる。

ここ座ってってポンポンって自分の横たたいて素直に私もそこに座る。


「何飲む？」
「レモンサワーでいいよ」
「りょうかい」


店員さんが持ってきてくれたレモンサワーで乾杯して、「あいつらうるさいやろ」なんて笑う廉とお酒を飲む。



「なんの集まり？」
「んー、基本高校の時の同級生とかやけど、みんな盛り上がって呼んだりしてるから知らんやつもおる」
「ふーん…」


そっかあ、じゃあ岸の横にいるのは同級生、それか美味しい蜜を吸いに来た飢えたハチ共？てか普通に気づかないわけ？私がいるの、ありえないむかつく！


「岸くん気になるん？」
「や、気にならない。あんな馬鹿まったく気にならない！」
「その割にはめっちゃ見てんで」
「見てないけど」
「岸くん見んでええから俺見てやぁ、妬くで？」


グラス片手にコテンて首を傾げる。なんてあざとい。



「岸くんなぁ、俺よりモテてんの！むかつくやん！やから、まあ俺が会いたいのもあったけど」
「なんであいつにムカつくから私のこと呼ぶのよ」
「俺といっしょに飲んでるとこ見せつけてやろうと思ってん」
「性格悪いねあんた」
「やろ？よく言われる」


気づかない岸にもムカつくしちょっとだけヤキモチ妬かせてやろうかな、なんて考えてる私、バッカみたい。

さっきまで私だって紫耀と飲んでたくせにほんと馬鹿みたい

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