不登校*1290 ページ42
‐赤司side‐
Aが残すのは予測していた。
いくら食べるようになったからといっても、Aは元々少食だ。
ただ僕は甘党ではないので、丸々ひとつ平らげるのは厳しい。
それもあってAが残した時食べられるように自分用には買わなかった。
食べ終わり図書館まで歩いている時も、飽きないように会話で繋ぐ。
「そういえばそろそろ進路について考えないとだよね」
「そうですね……征くんは、やっぱり京都に行っちゃうんですか?」
とAは不安そうに言う。
Aが「行かないで」なんて言えば進学止めようか。
なんならAも連れていきたい。
「…まぁ、ね」
「名家の一人息子ですもんね。……ねぇ征くん。多分大人になるにつれて征くん、忙しくなると思うの」
Aは真剣な声で言う。
僕はAを見る。
「そうだね。これから勉強やら何やらで忙しくなるよ。だからAとこうやってデートはおろか、時間を作れないかも知れない」
とAの手を握る。
Aは僕の顔を見る。
「それはいいんです。私が言いたいのは、遊べるのは今しかないのに私でいいんですか?ってことです」
「あまりマイナスに考えるのはよくない。僕はAがいいからAの傍に居るんだよ。僕がAを溺愛しているのは知っているだろう?」
と聞くとAは首を傾げる。
えっと……あれだけ「愛してる」って言っているのにAには伝わってなかったのか…?
だけどAの目を見て全てを察した。
嗚呼、君は本気にしていなかったのか。
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木戸藍楽(プロフ) - ねこ汰。さん» 最初からなんて貴重なお時間を申し訳ありません……ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年4月1日 18時) (レス) id: b372988733 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ汰。(プロフ) - この物語を最初から読んできました…!とても面白いです!更新頑張ってください!!(*`н´*) (2017年4月1日 15時) (レス) id: ad2b3236ef (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 赤紅 (あかべに)さん» ありがとうございます!! 本当に申し訳ございません……ですが皆様のおかげで合格出来ました! これからも皆様が楽しんでいただけるような作品を目指して頑張らせていただきます! (2017年3月16日 23時) (レス) id: b372988733 (このIDを非表示/違反報告)
赤紅 (あかべに)(プロフ) - 合格おめでとうございます!!凄く大好きな作品なので、更新待ち遠しくしてました笑 これからも楽しみに待ってます!頑張って下さいっ (2017年3月15日 16時) (レス) id: ad1b960ee8 (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2017年3月15日 0時) (レス) id: b372988733 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木戸藍楽 | 作成日時:2016年10月29日 0時