47.決意 ページ48
「だから、黄瀬くんと仲直りしたら……?」
その言葉を聞いて、彼女の本当の狙いはここかと気づく
申し訳なさそうに眉根を下げて微笑む彼女に罪悪感が芽生える
だって、彼女こそが被害者でほっとくことはあっても、私たちの中を心配する義理はないのだ。なのに、彼女は怒らないで謝る
彼女は何も悪くないのに……
「……いいの」
やっと出てきた言葉はたった三文字
それだけなのに声が震えた
「でも、A」
「いいのっ。前に言ったでしょ?元々上手くいってなかったって」
そう、もう何もかも遅いのだ
どんなに後悔したところで、起きたことは変えられない
深まった溝は戻らない
戻そうと躍起になったところで、その溝に落ちるのが関の山
だったら……
「そろそろ帰るね」
「へっ、え、あの」
「元々、プリントを届けに見舞いに来ただけだし」
いきなり帰りの支度を始めた私に、ひなはおろおろとする
「あ、玄関まで送るねっ」
「うん、ありがとう」
この広い家で一人でうろつけば、迷子確実。下手をすれば侵入者と思われてしまうのでその申し出をありがたく受け取る
玄関とまでいかず、門まで送ってくれたひなによく休むように言って、彼女の家を後にする
そして彼女とした最後の会話を思い出す
もう黄瀬とは戻れない
ならば、もう頃合いではないだろうか……
中学では叶わなかったが、高校は別である
家につくなり、もらっていた推薦書を見てここにいくことに決める
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時