検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:15,434 hit

34.買うのが礼儀 ページ35

廊下を走りながら、水色さんを探していると赤司くんを見つけた


「あ、赤司くんっ」

「あれ、上月(こうづき)さん?」

「水色さんっ?!」


ひょっこり赤司くんの後ろから出てきた、探し人に目を丸くする

どうやら、赤司くんの背に隠れて見えなかっただけらしい。水色さん、小柄だからなあと納得していれば、不思議そうに首を傾げられた


「あ、ごめんなさい。その、さっきの工藤さんとの勝負なんだけど……」

「あー、大丈夫よ。ズルされようが何されようが負けないから」

「いや、そこは別に……」


というかあの程度のハンデをものともしないんですねという言葉は飲み込む

まだ話が読めない水色さんは、(私との身長差から自然と)上目づかいでコテンと首を傾げられ、同性にも関わらずドキッとする

なんだか、赤司くんの視線が痛いような気がしながら頬をかき、話す


「あの勝負ってもしかして……私のため、だったり、なかったり?」

上月(こうづき)さんのためだよ」


なんだか自分で言うのも恥ずかしくて、言い淀んだのにも関わらず即答されて言葉に詰まる

水色さんはそんな私の様子にくすくす笑う


「いや、余計なお世話かなって思ったんだけど。私もやられっぱなしは癪だし、売られた喧嘩は買うのが礼儀でしょう?」

「あ、うん……そうでしょうか」

「そうだよ!だから、気にしないでねっ」


なんかいろいろと突っ込みどころが満載だった気が……

ちらりと赤司くんを盗み見れば、はあとため息をついているが止める様子はない

ていうか、なんだか……呆れてる?

この二人の間でも何か話したんだろうなあと推測していると、水色さんが「それにね」と申し訳なさそうな顔をした


「涼くんと上月(こうづき)さんの関係を壊してしまった責任もあるし」

「それはっ」

「それは関係ない」


私が否定するよりも早く、赤司くんが咎めた


「黄瀬が勝手に勘違いしただけだ。俺は上月(こうづき)さんを頼むと言ったのにあいつは……」


苦々しげに額に手をあてる赤司くんに、ちゃんとわかってくれていたんだと驚く

それと同時に嬉しく思った

35.仲睦まじい→←33.売られた喧嘩



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。