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33.売られた喧嘩 ページ34

ちらりと水色さんが見たのは、私の右手首。目を伏せて、また真っ直ぐに工藤さんを見る


「あなたたちが私に何しようが、何を言おうが私は気にしないし、気にも留めない」


でも、と続け、工藤さんたちの距離を詰める水色さんの顔を見て私は固まる。紫原くんも感じ取ったのか、お菓子を食べる手を止めて私の背中に隠れた

そのくらい怖いのだ。ゆるりとあげた彼女の顔は笑顔なのに、目は笑ってなくて、代わりに目だけで射殺せそうな冷たさと鋭さがあった

工藤さんも恐怖からか、一歩下がるも、妙なところでプライドの高い彼女は怯えつつも目線は逸らさない


「でも、他人を巻き込むのは許さない」

「そ、そんなの勝手に巻き込まれるこいつが悪いんでしょ?!」


うわー、言い返したよ……

この状態の水色さん相手によく言い返せるなと心の中で拍手を送る。だが、その言葉が水色さんの琴線に触れたらしく、彼女は笑みを消した

そのことにより、一層冷たさを増した彼女に自分が怒られているわけでもないのに背筋が伸びる


「あんたたちのそういうところが許せないっつってんのよ」

「ひっ……」

「ってことで、私が勝ったら上月(こうづき)さんに謝ってね!!」


地を這うような、普段の水色さんからは想像もつかないような低い声に、流石の工藤さんも短い悲鳴をあげる

かと思えば、さっきの絶対零度の瞳、表情、その他諸々はどこへいったんだと疑いたくなるような明るい様子に椅子から落ちそうになる


「期間は明日から期末まで。じゃあ、またね」


そういって颯爽と去って行った水色さんに暫くみんな茫然としていた

そして、私の後ろに隠れていたはずの紫原くんが新しいおやつを開ける音でみんな我に返った

34.買うのが礼儀→←32.私のため……?



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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時

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