私の仕事 ページ45
にぃにsaid
北「…お兄さんはAちゃんに何もしなかったんですか！？」
横「ちょ、みっちゃん！」
そう思われるのもしょうがないだろう。
自分でももっとするべきことがあったんじゃないかって思っている。
でも、おれはAにとって兄でなくちゃいけないんだ。
家族の中で、Aに愛を与えてやれる兄に、な。
でもAはもう家族には“仕事”でしか接せなくなってた。
迷惑をかけないように、もうこれ以上に自分から興味が薄れないように。
だから、俺がこうなるしかなかった。
”お兄ちゃん“じゃなくて、”お兄様“になるしかな。
すべて上から物をいうようになったよ。
誰に口を聞いているんだ、お前は妹だろうと。
Aに自分は俺の妹だと、しっかり分からせる必要があった。
うまくいったと思ってる。
おかげでAは俺をにぃにと呼ぶ。
しかし俺の方で言うと、すっかり上から目線が抜けなくなった。
まあ、そんな事はいい。
１番問題だったのは、Aが中学生の頃だよ。
Aにも友達はいたさ。
でも、愛なんてモノは遠くの昔において来ていた。
Aの環境に愛なんて微塵もない。
だから友達とも仕事という距離ができた。
相手がその距離を詰めようとしても、逃げた。
仕事をしなければ。
相手にとって自分が使えるモノでなければ。
愛を受けないと、思ったんだろうな。
そんな窮屈な学生生活をおくってた時だよ。
問題を起こしたんだ。
表面上、Aが悪者だった。
Aは親に好かれるために、常に成績は学年１位をとっていた。
でも、ある時の試験で５位に落ちた。
そして逆恨みで、教師を殴ったと。
俺は、Aはそんなことしないと思ったよ。
一応その中学の卒業生だから、その殴られたっていう教師に聞いたよ。
そしたら、そのケガはただ階段から落ちただけ。
殴られた事実はない。
Aのことをよく思ってないやつのでまかせ。
意味がわからなかった。笑ったよ。
そんなでまかせのせいで、教育委員会が動いて親にバレて。
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作者名：苺パンダ | 作成日時：2020年3月12日 20時
