Being with you Ⅵ【鬼滅の刃】【時透無一郎】 (ページ5)

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記憶【無一郎side】ページ5

確かに僕はふろふき大根が好きだ。

小さい頃は母さんが、

最近は兄さんが作ってくれている。

でもそれをAに言った覚えはない。

Aにふろふき大根を作ってもらったこともない。

…はずなのに。

…なぜAは僕がふろふき大根を好きなことを知っているのだろう。

どうして伊黒先生はそれを知っているのだろう。

しかも僕との恋って…付き合いだしたのは2ヶ月前。

僕は何かを思い出さなきゃいけないとは自覚していたけど、

それは最近のことなのか？

中学に入ってからのことなのか？

その前のことなのか？

なんだか頭がぐるぐるして、上手く情報が整理できない。

「すまない。こんなこと言っても、お前を困らせるだけだな」

そんな僕の様子を見て、伊黒先生が謝ってきた。

「いえ…その、僕は僕が何かを思い出さなきゃいけないってことはわかってるんです。

でもそれがなんなのか僕にはわからない。

きっとここに来ているみなさんは知ってるんですよね。」

「ああ」

「一つだけ教えてください。

それは最近のことですか？

2、3年前のことですか？

10年前のことですか？」

知りたい。

僕も、みんなが持っている"記憶"がほしい。

いや、知らなきゃ、思い出さなきゃいけない気がするんだ。

それくらい、大事なことだと思うんだ。

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「ずっと、ずっと、遠い昔のことだ」

そう言った伊黒先生は僕に少し哀しげに微笑んだ。

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甘露寺「おまたせーーーー！！」

手に大きなピンクと黒の紙袋をもって、
ハイテンションでこちらへ向かってくる甘露寺さんに手を引かれて、ぐったりと疲れている様子のAが帰ってきた。