Being with you Ⅵ【鬼滅の刃】【時透無一郎】 (ページ16)

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ケーキページ16

「ん～！！美味しい～！！！」

目の前にたくさん並べられたケーキの誘惑に負け、

バクバクと口の中に放り込む。

「Haha, it's all you can eat」

相変わらず何を言っているのかさっぱりわからないけど、この場にいる誘拐犯の雰囲気がさっきとは打って変わってどこか和やかになったような気がする。

そう、3日前に私がYESマンで切り抜けようと何度かYESを言うと、笑い出した彼らは、拘束していた私を解放し、シャワーを用意してくれたり、豪華な食事を用意してくれたり、可愛いドレスを着せてくれたり、今日はケーキを用意してくれたのだ。

…意外と優しいじゃないの、この人たち。

…あ、そうだ！名前くらい聞いとこう。

このたぶんボスであろうイケメン君の名前しか知らない！

「ディラン！！」

「Huh?」

私が名を呼ぶと、なんとも間抜けな返事をされた。

「アナターノオナマエハーナンデースカ？」←

英語っぽく日本語を話せば伝わるかもしれないと、
カタコト日本語を活用してみた。

はじめは首を傾げたディランたちだったが、

「Wait, she might wanna know our name.
...Sasha, you go first」

奇跡だ！！！通じた！！！さすが私！！！←

「Sasha」

「サーシャ？」

「…」

「I'm Reana」

「リアーナ？」

「Yes」

「Ron」

「ロン？」

「Perfect」

どうやら、私を連れ去った男はロンという名前らしい。

見た目によらず可愛い名前ね、なんて。

私にケーキを用意してくれた女性のリアーナは、
誘拐犯というよりお手伝いさんという感じで、
私に向けてくれる笑顔がとってもキュートだ。

サーシャは眼鏡をかけていて知的なイメージ。
私に対してもなんだかそっけなくて、今1番に私を殺しそうなのはサーシャである。

でもそんなサーシャもディランの言うことには逆らえないらしく、大人しくわたしから距離をとっているらしい。

相変わらずディランは私にベタベタしてくるけど。

…そういえばこの人、何歳なのかな？

ロリコンなのかな？

…ってかどうして私3日前から毎晩寝る前にキスされるのかな？

殺されたり脅されたりしてないからいいけど、

(きっと脅されてても私が気付いてないだけだろうけど)

帰りたいなぁ…。

無一郎…。

会いたいよ…。

ケーキを口にしながら、目から今にも溢れそうな涙を必死に堪えた。