Being with you Ⅵ【鬼滅の刃】【時透無一郎】 (ページ13)

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鬼舞辻無惨【無一郎side】ページ13

「ここにどうぞ」

僕はその男の人を部屋の椅子へと案内をした。

「あの、お名前は…」

そう言いかけた時だった。

((ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

部屋のドアを何回も叩く音が聞こえて、思わず肩が震えた

「俺だよ時透くん！！我妻善逸！！開けて！今すぐ開けて！！！」

ドアの外から善逸先輩の切羽詰まった声が聞こえてきて、驚きながらもドアを開けると、

一瞬にして善逸先輩は僕の横を通り過ぎた。

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「え…？？」

気づいた時には先輩はその男の人の胸ぐらを掴んで物凄い形相で睨んでいた。

「ちょ、何してるの、先輩」

「お前…何しにきた。お前か、Aを連れ去ったのは」

僕の声も届いていないみたいだ。

先輩は男の胸ぐらを掴んだまま、男に質問を投げた。

「また…お前はそうやって人の命を…！！！」

なんの話だろう。

僕には全くわからない。

男の人は微動だにせず、ただ善逸先輩の話を聞いていた。

「答えろ。

お前がまだ鬼なら、鬼となることを望んでいるのなら、今俺がここで斬る…。

…鬼舞辻無惨！！！！！！！」

鬼…？？？

鬼舞辻無惨…？？？

混乱する僕を他所に、

鬼舞辻無惨は目に涙を浮かべて口を開いた。

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「前世では本当にすまないことをしたと思っている。

私は自分の死を恐れるばかり、
純粋な人間を鬼にし、
罪のない人の命を奪い、
強さを求めた。

私はこの記憶を取り戻した時に、前世の私を殺してやりたいと思ったよ。

そして今私がここに生きているべきではないと、そう思った。

だから自分で自分の首を斬ろうとしたんだ。

…しかし、その時に産屋敷が現れてな。

まだ未来を予知する力を持っているのかは知らんが、

"死ぬな"と。

"生きて償え"と。

"生きる方が闘いだ"と。

だから私はキメツ学園の学長となり、前世で私が奪ってしまった君たちの日常を、どうにかして返したかった。

この旅行もその一環だ。

しかし、こんな事態になってしまって本当にすまないと思っている…」

鬼舞辻無惨の声が小さく震えた。