ストロベリースカッシュ《三ツ谷隆》

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休みの日、１人バイクに跨って街を流した。
朝から晩まで流したお陰で悲鳴をあげた相棒は、今はドラケンの手で修理されている。



「無茶な走りするとか、オマエらしくねェな」

「あー、ワリィ」

「別に良いけどよ、つーか、Aちゃんと何かあっただろ」



何かあった？………のか？

何もなかったようにも思うけど、オレの言葉がAの気に触ったのなら謝りたいと思った。
だから、何度も話しかけたけど何かと理由をつけてはぐらかされて。



「ドラケンみてェにデカい男が良いんだってよ」

「マジかよ、じゃあ、チビ三ツ谷じゃダメじゃねェか」

「170あるし」

「自称な？」

「うっせ」



Aともこんな感じに話せていたはずなのに。
距離が出来てしまってから随分経つ。
その間に、オレとAが別れただの、オレが振られただの、Aが振られただの、噂はどんどん増えていった。

つーか、付き合ってねェし、告ってすらねェ。



「オレも刈り上げよっかな」

「んな事したら、龍の刺青見えちまうだろ」



Aにカッコイイって言われるなら、それでも良いかな…とか。



「オレ、めっちゃ女々しいな？」

「おー、マイキーに聞かれたら殴られるぞ」

「ハハッ、だよなー」



ヴォン！と元気を取り戻したオレの相棒。
ドラケンに礼を言って別れたあと、また一人で流して考えるのはAの事。
でも、それも今日まで。
女々しいダセェ自分にはウンザリだ。



いつかオレが作った服を着てランウェイを歩く君が見たかった。



高校生活ニ年目は甘酸っぱくて苦かった。







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