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◎Aside
からかわれたのかな、と思った。
いつも高い所から物欲しそうにこっち見てる女、誘ったら引っかかるかな、みたいな。
待ち合わせ時間を40分すぎて、もう九分九厘ソレだな、と思ったところで急に彼が現れたので、私は多分びっくりした顔をしたと思う。
「遅れてゴメン！…ええと、それは、なんのかお？」
「びっくりした、顔？」
彼はなんなんそれー、と笑いながら、私の向かいの席に座った。
予想に反して、約束は反故にされなかったみたいだ。
「ごめんやで。出がけに捕まってもうて」
「モテてるもんね、章大君」
いつも人の輪の中にいる彼。今朝もキレイな女の子と歩いていた。
「好きな子にモテないと意味ないし」
モテることは否定も謙遜もしないんだな。
私にはない発想だ。まあ「モテるでしょ」とか言われたことないし、実際モテないから否定のしようもないんだけど。
「何飲んでんの？」
「いちごみるく」
「おいしい？」
「うん」
うそだ。
ほんとは約束をすっぽかされたと思って、でも章大君が来るにしろ来ないにしろ何かお腹に入れないとお昼休みが終わっちゃうからと思ってよく見もしないでカロリー高そうだと思って適当に頼んだやつだし、実際のところ味なんかしなかった。
緊張していたから。
「一口ちょうだい。走ってきたからのどカラカラ」
返事をする前に私の前のグラスは奪われて、一瞬で戻ってきた。
「ホンマやおいしい！僕もそれ頼も。なんかゴハン食べた？」
「ううん、ごめん。お昼休み一時間だから、これ飲んだらもう行かなきゃ」
あちゃぁ、と漫画みたいにおでこを叩いた章大君はそのままちょこんと隣の席に座った。
「そんなら飲み終わるまで一緒にいる。見送らせて」
「のど乾いたんでしょ。いいから注文しておいで。買ってきてあげよっか？」
「嫌や、Aちゃんが逃げる」
「逃げるってなによ。飲んだら行くけど」
「ほら、逃げるやないか」
子どもみたいに駄々をこねだした章大君は、じゃあまた改めて会おう、と言ったらようやく納得して、結局私がいちごみるくを飲み終わるのを見届けてからやっと席を立った。
店の出口まで並んで歩きながら考える。
友達って、こんな感じだっけ。
しっくりこないけど、なぜか彼に懐かれているんだということはわかった。
今頃になって、甘い甘いいちごみるくの味が口の中に蘇る。
思ったよりずっと甘くて、思ったよりおいしい。
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みき(プロフ) - 待ってます！ (2021年4月14日 10時) (
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cayochi(プロフ) - 私も待ちます (2021年4月14日 8時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - いい子で待ってます (2021年4月14日 8時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - イイ二人の世界だ〜(*´艸｀*) (2021年4月14日 8時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 二度目の更新有難うございます！丸ちゃん、金木犀の香り…想像できます〜♪♪でも、連絡先交換とか名前で呼ばせるとか！？えっ！！丸ちゃんーー！！！って感じです！！笑 (2021年4月13日 19時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2021年3月8日 9時
