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「つまり?」

マ「ああ、そうそう、吸血鬼。初対面でいきなり当てたの、Aちゃんが初めて」


ああ、そうそう、って。軽いなあ。


「私、血吸われるの?」


またちょっと後ずさったら、今度はマックに捕まえられる。
いやそれより、正体がバレたんだから殺される?


エ「殺さない。ちょっと話があったから」

「私に?」


マックが頷きながら、鳥肌が立っている肩にストールを掛けなおしてくれた。


マ「この前、家の近くで側溝から何か拾ったやろ」

この前。

エ「先週の金曜の夜」

先週の金曜は確か、残業で、帰りが遅かったはず。

マ「大雨が降ってて」

「ああ、側溝の水かさが増えてて、何かキーキーいうやつがスゴイ勢いで流れてきたから、猫か何かだと思って、とっさに」

持っていた傘を、側溝の中に入れた。

暗くてよく見えなかったけど、傘に何かぶつかったから引き上げたら、確認する前にビショビショに濡れた犬が飛び出してきて、くわえて走っていったんだった。衝撃で破れてしまった傘は、その後使い物にならなくて、結局私も濡れて帰った。

なぜか急に憮然とした顔になったエースをチラッと見て、マックが続ける。


マ「あの落ちてたの俺」

「はぁ?」

エ「蝙蝠になったマック」

「コウモリ?」

マ「そう。うっかり雷に打たれてもうて、側溝に落ちた俺」


吸血鬼がコウモリにヘンシン。うん、まあ。


エ「そんで、それをくわえて走って逃げたのが俺」

「濡れた犬?」


マックはまた吹き出した。


エ「…オオカミ」

マックが笑いをかみ殺しながら私に目配せしている。
どうやら気付かないうちにエースの気分を著しく害したらしい。


「ゴメン、暗くてよく見えてなくて」


サイズ的に犬だったんだけどなぁ。匂いもまさに。

思った瞬間、エースにギロっと睨まれた。あ、頭の中聞かれてるんだった。


「それで?」

マ「傘壊したやろ、ほんで俺の命を救った」


「命を救ったって、大げさな。傘だって別に、その辺に売ってる普通の傘だけど」

エ「俺ら、特例を除いて流水は渡れないから。Aちゃんが拾ってくれへんかったらちょっとやばかった」

「…そうなの?」


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作者名:きりん虫 | 作成日時:2020年7月6日 21時

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