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「…咬んでもいいよ？」
マ「まだあかん。歯止め利かなくなるから、多分」
そう言ったマックの目は真剣で、ちょっとぞくっとする。
歯止めが利かないまま咬まれたら、死ぬんだよね、やっぱり。
私の不安を敏感に感じ取ったのか、彼がちょっと心配そうな顔でこっちを見たので、私は笑って見せた。
「そんなに美味しそうなんだ、私」
彼も安心したように微笑む。
許されるなら、私はその顔にもっと近づきたい。こわくてもいいから。みんなにも近づきたい。
マックが咬んでくれたら、私は彼のものになる。それを、私も待っている。
マ「俺にとっては特に、な。他の奴に咬まれんといてくれよ」
不意に、手を取られたので、私はしっかりその手を握り返した。
「気をつける」
それから私達は、手を繋いだまま話しながら歩いた。
吸血鬼は日に当たってもいいのか、とか。(当たっても灰にはならない、ていうか今散歩しながらばりばり当たってるんだから記者失格の質問だった)
みんな寝ないで何をしてるのか、とか。(昼も夜もゲームしたり楽器を弾いたりして遊んでいるらしい。すごいやってそう)
barでちゃんと7人分の生計が立てられるのか、とか。(立たないのでみんな出稼ぎしたり外で働いて日銭を稼いでいる)
記者みたいに質問を繰りだす私にちょっと呆れて笑いながら、彼は丁寧に質問に答えてくれる。
まだまだ聞き足りないことばかりだったけど、いつの間にかエイトの前に戻ってきていた。散歩は終わり。
「まだ聞きたい事いっぱいあるのに」
マ「まだあんのかいな。次は俺が聞く番やと思うけど」
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
