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ワーゲンバスに運ばれて着いた“THE EIGHT”で待っていたマックは、折れた瞬間ちょっと痛かっただけで大丈夫やで、と言って笑ったけど、白い顔はもはや透けそうなほど青くなっていて明らかに元気がなかった。
注意されてたのに。
エースもガムもトッポも、忠告してくれたのに。
「ごめんなさい」
マ「足首だけで済んでよかった」
左足をちょっと引きずりながら近づいてきたマックに、ギュッと抱きしめられる。
相変わらずの甘々。
途端に恥ずかしくていたたまれない気持ちなる。
他の吸血鬼たちもイケメンだし近くに寄るとソワソワはするのだけど。
マックの側にいる時に湧いてくるこの気持ちを、何に分類したらいいのか、私は測りかねていた。
「みんなは？」
ジャ「タイミングがいいんか悪いんかみんな出稼ぎ」
「出稼ぎ？」
ジャ「おん、ぱーてぃーのけーたりんぐやらふぇすの屋台の準備やらでみんな出払っとんねん。しーずんやからな。店は回らんから休みにして、居残り組で新作メニューの試作しようと思ってて。ちょうどええしAも手伝え。あとでガムも来るから」
「ねぇ、待ってジャッキー。マックの体調治してあげれないの？」
話が入ってこない。そして私のせいで申し訳なさすぎる。
ジャ「個体に対する能力は俺ら同士では効かんねん。マックの空間操作とかトッポの予知とか事象は関係ないみたいやけど。多分能力に対して個体の防御力が強すぎるんやと思うわ。そもそも俺らはそうそう怪我したり病気になったりすることもないからなぁ」
「えぇ…」
そんな、じゃあマックは。ガッカリして上を見上げると苦笑いしたマックの顔。
ジャ「まあ、体調不良のもとはAの怪我なんやから、Aが治ればマックも治るわな」
ジャ「早よ治るように、お前今日から俺の部屋な」
ジャッキーの言葉に、私とマックは揃って八重歯を見た。
ジャ「直接触った方が早く治る。空き時間は目いっぱいかわいがったるわ」
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
