6 終 ページ21
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マ「あッ、お前、言うなや！」
「…夜這い？」
ジャ「Aが寝る頃になったら、こっそりお前の部屋に行って寝顔見て帰ってくんねんで。変態やろ」
はぁ？！
「私の部屋に入ってるの？！」
ア「お得意の空間操作能力で。覗き放題やんか、ええわぁ」
ジャ「ウキウキして夜這いから帰ってきて、『Aが寝言で俺の名前呼んだ！』とか言うて一人で盛り上がってんの相手する俺らの身にもなってくれよ」
ねごと！！
じぃっと頭の上のマックを睨むと、彼はバツの悪そうな顔で目を逸らした。ていうか抱きしめられたままでいい加減恥ずかしくなってきたんだけど。
「何で？」
マ「…忙しそうやから、ゆっくり寝てる時なら時間もらってもええかと思って」
言うなり真っ赤になったマックは、やっぱりかっこいいしきゅんとした
私、やっぱり会いたかった。
「…ちゃんと起きてる時に来て？」
マ「おん、ごめん」
抱き合ったままそんなことを言っている私達は、なんだかやっぱり特別な感じなのかな、と思う。
今日で会うのは2回目だけど。
ト「ほらほらいつまでイチャイチャしてんの。お兄が遅いから先にお酒持ってきた意味なくなったやんかぁ」
またいつの間にか人間体になっていたトッポが、プンプンしながらお酒を並べている。
少し遠くからわちゃわちゃした男の子たちの声が近づいてきて、「マックー、ちょっと来てー」と呼ぶ声がする。
私達は慌てて体を離して、マックは「何で俺やねん、何で今やねん」と言いながら赤い顔のまま声のする方に走っていった。
ア「じぇらしー感じたくなったらいつでも言いや」
ジャ「黙れアーセナル。Aはちゃんと口に出して言い。さっきみたいに。あいつアホやからちゃんと言わなわからんで」
ト「お兄をよろしくなぁ、おねえちゃん」
お母さんみたいなジャッキーと、彼に鬼ほどどつかれているアーセナルと、インコじゃないのにいつの間にか私の横にぴったりくっついていた弟キャラのトッポに囲まれて、近づいてくる騒がしい集団を迎え入れる。
吸血鬼の宴の、始まり。
私達の、始まりの夜。
Fin
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
