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ア「でもまぁ、マックはなぁ」
アーセナルが空気を変える声で言って、苦笑いする2人。私はずっと気になっていたことを聞く。
「私、マックに避けられてるみたいだし」
ですてぃにーでおんりーわんのなんばーわんだって言うなら、私が会いに来るタイミングでいつもいないのはおかしい。
今日こそは会えるはずだと思ってここまで来たのに、またいなかったし。
ジャ「そんなことないって」
ア「お前はどうなん、マックに会いたいん？」
「…会いたい、と思う」
ア「そんならほら、会いたい、って強く思えばええねん。ちゃんと伝わるから」
「伝わるの？」
でも、割と毎日、思っていた。
ショップカードを見ながら、マックは何してるのかなって。
思い切って店に行くと、マックはいつもいなかった。「さっきまでいたんやけど」とか言われて、避けられているのを確信した。
連絡先も交換してないし。
ア「手伝ったろか？」
至近距離でアーセナルの声が聞こえた、と思ったら、触れそうなほど近くに彼の顔があった。
ア「他のオスに咬まれたら、じぇらしー感じてくれるかもしれへんで」
舌を出しながら、首元に噛みつこうとしているアーセナルから、目を離せない。
ああ、これはデジャビュ。
あの時は確か…。
「…マック」
マ「はいはい」
名前を呼んだ次の瞬間には、私はマックの腕の中にいた。
びっくりしてそっと、上を見上げると呆れたようなきれいな顔。
マ「俺の契約者は吸血鬼に襲われそうな時しか俺を呼ばんのかいな」
会えた。
やっと、さわれた。
ずっと触りたかった。
会うのは2回目で、抱きしめられたのは今が初めてなのに、私達はぴったり合わさっていた。
ずっと、会いたかった。だから。
「ずっと呼んでたよ。聞いてなかったんじゃないの」
マ「…聞いてた。ごめん、恥ずかしかってん」
思わず抗議すると、マックは頭の上でちょっと赤くなった。
ジャ「そうやで、マックいっつもこっそり夜這いに行っとるからな」
ジャッキーがアーセナルのこめかみを鬼ほどこぶしでグリグリしながら衝撃的なことを言う。
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
