5.コーヒーとシュガー ページ5
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「おはようございます」
「おはよ」
ちょっと早めに事務所に来ると所長が1人でコーヒーを啜っていたところだった。
所長の松岡さんこと松兄。
松兄の由来はガテン系で兄貴肌だからそう周りから呼ばれるらしい。
この事務所に入ったばかりの頃松兄と呼べとのご指示があってそれ以来呼ばせてもらっている。
松兄はこの業界ではそれなりに名の知れた建築士で創り出す物が他の人とは一味違う。
今目指しているのはこの人の背中だ。
「今日嵐山工務店の櫻井くん来るから対応頼んでいいか？俺ちょっと現場に顔出さねぇと」
「全然大丈夫ですよ」
「悪ぃな。看板娘のお前が頼りだから」
「んじゃ看板娘頑張りますね」
ガッツポーズをとると「おう」と松兄が笑った。
デスクに着く前にコーヒーを求め給湯室に向かった時背後に気配を感じて振り返った瞬間リップ音が響いた。
ふわりと漂ったのはさっきのホテルのシャンプーの香り。
「大野さんバレちゃいますよ」
「何が？」
「何がって…結婚してんのにこんな事しちゃってる事ですよ」
「結婚してんの松兄しか知らねぇし今誰も来ねぇから大丈夫だべ」
「どこから来るのその自信…」
私が呆れた目で見るとペシっと鼻を叩かれた。
あぁ、大丈夫かな皮脂とか。
まだ朝だけど出てたりしてたらどうしよう。
「手に油付きませんでした？」
「なに油って」
「…大丈夫そうなら良いんです」
「ふぅん」
人の心配を知らずに興味無さそうな返事。
なんなんだこの人は。
ボケーッと立つ大野さんを横目にコーヒーを注いでると今度はツンツンと背中をつついてきた。
子供みたい。
33歳がここまでするとは。
でも不思議と可愛いからなんだか悔しい。
ちょっと意地悪してやろうかな。
少しだけシカトしながら砂糖とミルクを取り出すと指のつつきが止まった。
こりゃ諦めたかな、と思った私がバカだった。
ティーカップを持とうとした手に大野さんの角張った手が重なった。
胸が高鳴ってうるさい。
「コーヒー冷めちゃう」
「Aはとっくに俺に冷めてんでしょ」
「何ですか韻踏んだりして」
冷めてんのは私じゃなくて貴方でしょう。
そう出かけた言葉を飲み込む。
仮にそう言って頷かれたらたまったもんじゃない。
この恋が不倫だと知らされた時以上にメンタルにきてしまう。
しかも職場だしあくまでも平常にと振舞おうとした私。
「俺にキスされてドキドキする？」
でも大野さんはその体すら壊そうとしてくる。
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かおりん(プロフ) - きりこさん» こちらこそお読みいただけてるなんて嬉しいですw(なんせほとんどコメントつかないので1人孤独な戦いをしてるものでw)はい、これからも遊びに来ます(*´∇`*) (2019年5月14日 23時) (
レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
きりこ(プロフ) - かおりんさん» あわわわ！かおりん様からのコメント光栄です！！！実はひっそりと愛読してます！！（小声）そう言って頂けて本当に嬉しいです！！ぜひお願いします！！！ (2019年5月14日 22時) (レス) id: f37ad4f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - ドSさとぴがドストライクです！！また遊びに来まーす！！ (2019年5月14日 19時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
きりこ(プロフ) - ようちんさん» はじめまして！コメントありがとうございます！無事このお話も完結しました(*^^*)ブラック櫻井さんと小栗ちゃんの掛け合い書いてて楽しいんですよヽ(*´∀｀)ノありがとうございます！ようちんさん最後までお付き合い頂けるときりりん感激です\(//Д//)/ (2019年5月13日 22時) (レス) id: f37ad4f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
ようちん(プロフ) - はじめまして！楽しく拝見しています！大野さんとうまくいって欲しいな！ブラックな櫻井さんとの絡みが絶妙ですね〜(*^^*)すごく面白いです！いい味だしてますよね〜続きが楽しみ！頑張ってくださいね。 (2019年5月13日 17時) (レス) id: 1b12d1d40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりりん
| 作成日時：2018年10月21日 9時
