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「あ、紅鳶さん。今回の魔物、もしかしてそちらの寮から?」
「そうやな。面倒掛けさせたわぁ、ゴメンな」

 現れた赤い和装の少女は、そのまま近江さんの方へ歩いていき、会話を始める。会話をこっそり盗み聞きしていると、先程の魔物が彼女──ベニトビさんの所属する寮から来たらしい。

「あら、見ない顔の子がおるなぁ。新入りさんか?」

 不意に、ベニトビさんがこちらを向く。改めて顔を見てみると、何気に美人さんだ。『やまとなでしこ』って言うんだっけ、こういうの。

「はじめまして、私は紅鳶(べにとび) あずき。口紅の紅に鳶って書いて紅鳶。あずきはひらがな。よろしくな、新入りちゃん」

 紅鳶 あずきさん、という名前だったんだ。自己紹介の時に漢字まで教えてくれるなんて、優しい人なのかもしれない。

 次の瞬間、大量の虫型魔物が食堂内に飛び込んでくる。正直言ってキモイ。その場にいる全員が臨戦態勢を取ったが、飛び込んできた魔物は全て撃ち落とされた。

「酷いなぁ、あずき。アタシを置いてくなんて。マジでぴえんだよ〜」

 消えていく魔物の死骸を踏みつけながら来たのは、派手に着飾ってメイクしたいかにも『JK!』という風貌の女の子。紅鳶さんの名前を言っているところから、多分関係者なのかな?

「……あ、ハル。てっきりスタバに行ったのかと思っとったわ」
「心外だなぁ!」

 やってきた『ハル』と呼ばれた女の子は、近江さんとの会話をやめた紅鳶さんと話し始めた。多分どうでも良さすぎる内容だと思う。でも、なんだか親友感が強いなぁ。

「あ、この子がダイヤモンド寮の新入生なんだねぇ! はじめまして〜、京都のJCの花咲 遥音(かざき はるね)だよ〜!! よろしくね!」

 あ、カザキさんはまだ中学生なんだ。じゃあ、同じくらいの体格の紅鳶さんも中学生なのかな? そんなことを思っていると、近江さんがわたしの方にきて話し始めた。

「紅鳶さん、花咲さん、こちらは新入生の環 凪咲さんです。ちなみに、紅鳶さんも花咲さんも中三ですよ」

 つまりは、私より三、四歳ほど歳上なわけだ。……あ、だから紅鳶さんは近江さんと仲良かったのか。点と点が線で繋がった。

「……あれ、でも特殊属性所持者の入学式は明後日やなかったか?」
「多分、タマちゃんの日程ミス。今年はヘタマイトに一人来るって通知が来てたし」

 ……うん、ちょっと話が掴めないな。お母さんは『日程が違う』なんて言ってなかったよ?

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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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