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「手短に片付けようか」

 とツキノさんが言うと同時に、湊と寮長と近江さんを除く全員がステッキを取り出した。ステッキの先には大きなダイヤモンドが取り付けられていて、わたしでもそこが魔力の受け皿になっていることが分かる。

 全員が同じタイミングで、魔法少女の姿になる。みんなとっても可愛らしいコスチュームで、煌びやかな武器を持っている。──ああ、これがわたしの夢見てた魔法少女の姿だ。

「下がっててね、環さん」

 マイズミさんが私の前に立ち、金色の鎖が巻きついたモーニングスターを構える。わあ、かっこいいなぁ。でもミスって当たったら危ないから、下がっていよう。

 そんなこんなの間に、戦いが始まった。まずはツキノさんが銃──マシンガンかな? を連射し、魔物を牽制する。
 そして、銃撃から逃れようと一箇所に集まった魔物を見た来栖さんが、何らかの詠唱を行い、魔物の辺りに巨大な火柱を召喚する。火柱が消えた頃には、魔物は既に骨になって消滅していた。

「──危ない、凪咲ちゃん!」

 どうやら、わたしが戦闘に魅入っている間に魔物が一体抜け出して、こちらに向かってきたようだ。クドウさんの叫びによって正気に帰ったわたしは、咄嗟に受け身の姿勢を取った。

 ──攻撃される。そう覚った。

 しかし、その衝撃が私に伝わることはなかった。紛うことなき蜂の巣になった敵を見て勘づいた。これはクドウさんの攻撃(せい)だ。

「ちょ、ちょっと寮長! 勝手に攻撃しないでって……」

 あ、マイズミさんがちょっとだけ怒ってる。クドウさんは元々連携に入ってなかったからね。予定にないことをされること、調子が狂っちゃうもん。

「第二波、きま……えっと、あれ?」

 次の襲撃者は来ない。これで落ち着いたのかな……? と思ったけど、まだ魔物の気は残っている。まだ警戒していた方が良いかな。

 ──しかし、いつになっても第二波は来なかった。その代わりに、外に繋がる扉の向こうから、カランコロンと下駄の音がする。音のテンポ的に、歩いているみたい。そして、その音は遂に扉の前にやってきた。

 そして扉が開く──。

「あらぁ、もうそちらも片付いてはりますの? 此度もつまらぬ獣やったなぁ、千寿はん?」

 そこには赤い和服を身に纏って刀を携えた、赤茶色の髪の女の子がいた。方言の交じった特徴的な喋り方で、いかにも猛者という印象を感じさせる。

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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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